2017年9月ブログ

2017年

9月

30日

口の驚くべき危機察知能力

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。口は健康のバロメーターです。それも、とびきり鋭敏で感度のよいバロメーターなのです。というのも、歯ぐきや口腔粘膜は非常にターンオーバーが速く、敏感で変化が現れやすいからです。ターンオーバーは細胞の入れ替わり、つまり新陳代謝のことですが、これが皮膚の6倍のスピードで行われています。皮膚のターンオーバーの周期が28日ということを聞いたことがある人もいるかもしれません。骨ではターンオーバーに200日もかかりますが、歯ぐきは、たった5日で細胞が入れ替わります。口の中は、外部からのいろいろな刺激が入ってくる場所のため、早めに細胞を入れ替えて、抵抗力をキープできるしくみになっているのです。ですから、栄養が不足していたり、異常が起きていたりすると、激しく消耗し、すぐに悪化します。逆に、栄養が十分に補充され、ケアが行き届けば、その効果が出やすいのです。ちなみに口腔以上にスピードが速いのは小腸の粘膜で、2日ほどで入れ替わります。常に外からの異物にさらされ、これらを排除しなければいけないうえに、必要な栄養分は吸収するという相反する機能を維持するため、いつも細胞をリフレッシュしているのです。そんなわけで、口の中にはさまざまな変化が現れやすく、よいバロメーターの役割をしてくれます。それも、ただのバロメーターではなく、ちょっとした変化でも素早く察知できる優秀な検知器です。その秘密は、歯と歯肉を結びつけている歯根膜の働きにあります。これは、わずか0.2ミリの細い繊維ですが、髪の毛1本でも識別できるほどの鋭敏なセンサーであり、歯のダメージを防ぐ衝撃吸収材の働きもしています。ストレスがかかったとき、よく「歯が浮く」などといいますが、そんな微妙な感覚をも歯根膜は感知することができるのです。このため、歯が抜けて義歯を入れるようになるとバロメーターとしての感度が落ちることは避けられなくなります。

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2017年

9月

29日

歯周病の実体

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。気づかないうちに、あなたを蝕んでいる歯周病。そのとき、あなたの口の中では、一体何が起こっているのでしょうか。普段の歯磨きで落としきれなかった汚れや食べカスは、歯の表面や歯間、歯と歯ぐきとの間などに付着して、歯垢がつくられます。歯垢は、私たちが食べたものなどを栄養にして繁殖した細菌の塊で、単なる食べカスのことではありません。1グラムの歯垢には、なんと1億個もの細菌がいるといわれます。歯垢は、いわば細菌の巣窟です。これは、歯と歯ぐきの間のミゾである歯周ポケットの中にも多く付着します。歯周ポケットに入り込んだ歯垢は、歯を磨いてもブラシが届きにくく、菌はさらに増殖していきます。特に、歯周病が進行してポケットが3~4ミリ以上になっていると、歯ブラシの先でさえ届かず、歯垢を除去するのが困難になります。最近は、歯垢のことをバイオフィルムとも呼びますが、特にリーダー格の悪い菌を中心にして何百種類もの菌が集まり、塊を形成しています。しかもこのバイオフィルム、表面は唾液でも溶けにくい物質で覆われていて、うがいをしたくらいではとても取れません。薬を使っても、塊の内部まで充分に浸透しないため十分な効果を得ることができないのです。恐ろしいことに、強固な砦のようなバイオフィルムから放出される毒素は、口内の歯周病の病巣に開いた血管を経由して全身に散らばっていきます。LPS(リポポリサッカライド)と呼ばれるこの毒素は、血管の内部や神経組織などに炎症を引き起こすことがわかっています。たとえば、永久歯は第三臼歯(親知らず)を除いて28本ありますが、まずまず食物が噛める目安になる20本の歯がある人の場合、中程度(5ミリ)以上の病的な歯周ポケットがあると、口の中には大体72㎠、つまり手のひら1個分ほどの潰瘍があることになります。潰瘍は組織が傷ついている状態で、炎症のモトになります。口の中の病気だから大丈夫などと安易に考えていると、歯周病は、その進行とともに全身に慢性的な炎症をもたらします。この炎症こそ、重篤な病気の引き金となる恐ろしい症状であると、今注目されているのです。

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2017年

9月

28日

成人の約8割は歯周病

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。平成26年の厚生労働省の調査では、1日に全国の歯科に通院する患者数は、う蝕(虫歯)が27万6800人、歯肉炎・歯周病が42万8200人で過去最高といわれています。ちなみに、糖尿病の外来患者数は14万4700人、高血圧症が56万6800人です。これらは通院している患者の数ですから、自覚症状がなく、病気に気づかないで治療を行っていない隠れ患者は数え切れません。歯周病は歯肉と歯の根の部分(歯根)の間にある歯周ポケットから細菌が侵入し、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かしてしまい、最終的に歯が抜けてしまう「歯肉と骨の感染症」です。歯周病は、今や成人の約8割がかかっているとされる「国民病」なのです。にもかかわらず、歯周病を「病気」と思っていない人が少なくありません。たとえ歯周病と診断されたとしても、歯のことだから大したことはない…などとタカをくくってしまっているのではないでしょうか。これは、大きな落とし穴といえます。早い人では、10代から歯肉炎・歯周病の初期症状が始まり、40代、50代で患者数が最も多くなります。これを放っておいて、やがて歯が減り噛みにくくなっても、年をとったのだから歯が少なくなるのは当たり前と、まだ事の重大さに気づかないこともあります。食べ物が噛みにくければ、栄養の摂取に問題が出てきて、全身の健康に影響してくることはいうまでもありません。さらに怖いことには、口内の不健康は万病のモトになります。最近は特に、歯周病がいろいろな生活習慣病の原因となっていることがわかってきました。「噛むのに不自由しないから」などと油断して、10年先、20年先に後悔することにならないためにも、口の中のことをもっと気にしてみましょう。

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2017年

9月

26日

なぜ風邪は「引く」というのか

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。病気は「病気になる」「病気にかかる」といった言い方をします。ところが風邪は「風邪になる」「風邪にかかる」とは言わず、「風邪を引く」と表現します。温度や気圧などの関係で起こる空気の流れを「風」といい、ウイルスによって呼吸器がおかされる病気も、「風邪」といいます。病気の「風邪」は空気の流れの「風」からきており、古くは「風」と書いていました。昔の人々は、外気のなかに、体にとってよくないもの、邪悪なものが潜んでいると考えていたようです。風が吹き、邪悪なものを運んでくる。それを吸い込む、すなわち体に引き込む。そこで「風邪を引く」というようになったのです。病気の「かぜ」は現在は「風邪」という漢字が当てられています。その「風邪」は、体に影響を与える悪い風、邪悪な風という意味で、江戸時代までには「ふうじゃ」と音読みされることが多かったようです。

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2017年

9月

25日

食物繊維の1日目標摂取量

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。現代の日本人は慢性的に食物繊維が不足しています。戦後直後では一人あたりの食物繊維摂取量は1日27グラムもありました。それがいまは1日12グラムにまで減ってしまっています。食物繊維は最低でも1日に20グラムは摂る必要があるとされ、20グラムの摂取量をクリアするには、1日に350グラム程度の野菜を食べる必要があるとされています。そして、野菜350グラムは、だいたい両手で山盛り1杯くらいの量です。ただ、それはあくまで最低限のラインです。腸をちゃんと機能させるためには、もうちょっと上のラインを目指しましょう。すなわち戦後直後と同じ「1日27グラムくらいの食物繊維量」を摂るのを目指したほうがいいでしょう。そのためには、両手山盛り1杯よりも、もうちょっと多めの野菜を摂り、野菜だけでなく海藻やきのこなども積極的に食卓に載せていく工夫をする必要があります。

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2017年

9月

24日

「お酢」をプラス

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。短鎖脂肪酸を増やすために、水溶性食物繊維を摂ることが有効ですが、さらに効率よく短鎖脂肪酸を増やすには「お酢」をプラスすることが大きなポイントとなります。なぜなら、「お酢」、すなわち酢酸は短鎖脂肪酸そのもののようなものだからです。短鎖脂肪酸は酢酸、酪酸、プロピオン酸などの有機酸の総称であり、お酢を直接口から摂取することが、体内に短鎖脂肪酸を増やすための助けになるのです。「だったら、わざわざ腸内細菌に食物繊維を分解してもらわずとも、直接お酢を摂れば済む話じゃないか」と考える人もおそらくいるかと思いますが、それはちょっと早計です。なぜなら、「食物繊維」と「お酢」では、消化・吸収のパターンがまったく違うからです。食物繊維は長く腸にとどまって、その間ずっと短鎖脂肪酸を出し続けています。言わば食物繊維は「長時間にわたって短鎖脂肪酸を出し続ける燃料」のようなものです。一方、お酢は摂った後すぐに分解・吸収されてしまいますし、もともとそんなに多く摂取できるものではありません。こちらは言わば「短時間だけ短鎖脂肪酸を増やすことができるカンフル剤」のようなものです。ですから、短鎖脂肪酸を増やしたいなら、口から直接お酢を摂るよりも、食物繊維の摂取を基本にするほうがいいのです。ただし、「長時間もつ燃料」と「短時間のカンフル剤」を一緒に摂れば、両方の効果が合わさって、非常に効率よく短鎖脂肪酸を生み出せることになります。

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2017年

9月

23日

水溶性食物繊維

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」とがあります。不溶性食物繊維は水に溶けない性質で、腸内でふくらんで、便のカサを増したり蠕動運動を刺激したりする働きがあります。一方の水溶性食物繊維は水に溶ける性質があり、腸内の食べ物を包み込んで、余分な糖分やコレステロール、塩分が体内へ吸収されるのを抑える働きがあります。また、水溶性食物繊維には発酵性があり、発酵した繊維が腸内で善玉菌のエサとなるため、善玉菌を増やしたり腸内環境を整えたりするのにたいへん役立ちます。そして、短鎖脂肪酸をより多く生み出すことにつながるのも、後者の水溶性食物繊維なのです。もちろん、健康維持のためには「不溶性食物繊維」も「水溶性食物繊維」も、両方ともたっぷり摂ることが大事なのですが、こと「短鎖脂肪酸を多くしたい」のであれば、水溶性食物繊維にウエイトを置いて摂取するのがおススメです。

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2017年

9月

22日

短鎖脂肪酸の「糖尿病改善効果」

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。糖尿病患者には「腸もれ」を起こしている人がたいへん多く、糖尿病発症と腸のコンディションの間には深い関係があることがわかっています。また、糖尿病患者の弱った腸内では、短鎖脂肪酸の生産力が落ちていることもわかっています。では、この弱った腸を元気にして短鎖脂肪酸の生産を増やすといったいどうなるでしょうか。じつはこれによって、糖尿病が大きく改善に向かうのではないかと期待されているのです。ここでキーポイントになるのは「インクレチン」という物質です。そもそも糖尿病を加速させる原因がインスリン不足であるのは誰もが知るところです。インクレチンには、膵臓に働きかけてインスリンの分泌をよくする働きがあります。このため、現在インクレチンは糖尿病の治療薬としても用いられています。これは、外から薬としてインクレチンを入れて膵臓を刺激し、インスリン分泌を促そうという狙いです。ところが、短鎖脂肪酸には、腸の上皮細胞を刺激してインクレチンを分泌させる働きがあったのです。要するに、腸の状態をよくし、食物繊維をたっぷり摂って短鎖脂肪酸をたくさん生産していれば、インクレチンが自然につくられてインスリン分泌が促されるようになるのです。さらに、短鎖脂肪酸には脂肪細胞や自律神経に働きかけて肥満を抑える作用もあります。糖尿病患者には過剰に太った人が多いので「肥満防止効果」に加えて「インクレチン分泌効果」がプラスされれば、従来の常識を超えた糖尿病改善作用につながるのではないかと大いに期待されているのです。実際、アメリカでは、短鎖脂肪酸を使用した糖尿病治療薬の開発も進められています。まだ研究は途上段階ですが、その「短鎖脂肪酸治療薬」が開発されれば、膵臓に負担をかけずにインスリン分泌を回復できるようになる可能性は大きいのです。

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2017年

9月

21日

短鎖脂肪酸のダイエット効果

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。私たちが野菜、海藻、きのこなどの食物繊維を摂取すると、腸内細菌がそれをエサとして食べ、短鎖脂肪酸がつくり出されます。短鎖脂肪酸は栄養とともに腸壁から吸収され、血液中に入って全身をめぐることになります。そして、血液とともに全身を回る短鎖脂肪酸のなかには、脂肪細胞に行き着くものもあります。その脂肪細胞において、短鎖脂肪酸は「細胞が脂肪を過剰に取り込むのにブレーキをかける役割」を果たしているのです。そもそも、脂肪細胞はエネルギーの貯蔵庫のようなものであり、放っておくと、どんどん血液中から栄養を取り込んで脂肪エネルギーをため込んでいってしまいます。ところが、脂肪細胞にはじつは短鎖脂肪酸をキャッチする受容体がついていて、短鎖脂肪酸が来ると、そのとたんに脂肪の取り込みをやめる仕組みになっているのです。また、短鎖脂肪酸をキャッチする受容体は自律神経にも存在していて、短鎖脂肪酸が入ってくると自動的に交感神経が刺激されて代謝活動が高まることもわかっています。代謝が高まれば、エネルギー消費が増えて、体が余分な脂肪を燃やす方向へとシフトしていくわけです。だから、普段から食物繊維をたっぷり摂り、たくさんの短鎖脂肪酸をつくっていれば、多くの脂肪細胞に「脂肪取り込み中止」のシグナルが届き、なおかつ交感神経にも「エネルギー消費アップ」のシグナルが届くことになります。こうしたシステムにより、体の脂肪量がコントロールされ、肥満が抑えられて、ダイエットにつながっていくというわけです。

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2017年

9月

19日

「短鎖脂肪酸」とは?

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。そもそも短鎖脂肪酸は、酢酸、酪酸、プロビオン酸などの有機脂肪酸の総称です。酢酸と言えば、すなわち「お酢」ですので、体の中でつくられる「お酢の仲間」というくらいに考えておいてもいいでしょう。短鎖脂肪酸は、腸内において腸内細菌によって生成されています。その元になっているのは口から入る食物繊維やオリゴ糖です。これらは腸内細菌の大好物であり、腸内細菌にのエサとなる食品です。もともと、食物繊維やオリゴ糖は体内では消化されにくいのですが、腸内細菌がエサとして食べることによって腸内でさかんに発酵をします。そして、その発酵によって生まれる物質が短鎖脂肪酸であるわけです。だから、短鎖脂肪酸を増やすには、野菜などの食物繊維をたっぷり摂ることが必要なのです。普段から食物繊維やオリゴ糖をたくさん摂っていれば、それを腸内細菌がバクバク食べてさかんに短鎖脂肪酸を生み出すことになります。また、エサが多いと腸内細菌も増えて、増えた腸内細菌によってさらに多くの短鎖脂肪酸が生産されるようになってきています。こうして生まれた短鎖脂肪酸は、腸内フローラの働きをよくしたり、腸内粘膜のバリア機能を高めたりと、腸を健全に動かすためにさまざまな仕事をすることになります。腸の健康は、短鎖脂肪酸の手がけた仕事で保たれていると言っても過言ではないのです。さらに、短鎖脂肪酸が好影響をもたらすのは、腸だけではありません。腸粘膜から吸収された短鎖脂肪酸は、血液中に入り、体中を回ってさまざまな活躍をすることになります。炎症を抑えるのに役に立ったり、肥満や糖尿病を防ぐ立役者になったりと、体のあちこちで多岐にわたる問題を解決してくれているのです。

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2017年

9月

18日

短鎖脂肪酸

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「腸もれ」を治し、心と体の健康を回復させていくには、次の4つが大切になります。①腸内細菌を増やす。②腸内フローラの働きを高める。③腸粘膜のバリア機能を回復させる。④体のあちこちで発生している「炎症」を抑制する。これらは、私たちが「腸を強くするために行うべき課題」でもあります。「こんなに多くの課題を解決していくには、気の遠くなるようないろいろな努力をしなくちゃならないんだろうな」と思っていませんか?心配はいりません。①~④の課題をまとめて全部解決してくれる物質があるのです。その物質をちゃんと増やしさえすれば「腸の機能もみるみる回復」ということも夢ではないのです。その腸をよみがえらせてくれる物質こそが「短鎖脂肪酸」です。じつはこの短鎖脂肪酸は、いまや世界中の研究者の注目の的になってきています。とりわけ、腸や腸内細菌に関わっている研究者からは、「短鎖脂肪酸こそ、日々不調に悩む人々を救う物質なんじゃないか」「もしかして、短鎖脂肪酸は人類が夢にまで見た万能薬なんじゃないか」といった声まで上がっているのです。

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2017年

9月

17日

抗生物質の多用に注意

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。抗生物質は、

簡単に言えば体の中のばい菌を殺す薬です。これが投与されると、腸内細菌も死んでしまい、腸内細菌の減少や腸内環境の悪化がもたらされることになります。とりわけ、子供の頃に病弱でしょっちゅう抗生物質を飲まされていた人、中耳炎などで長期にわたって抗生物質を飲み続けていたことがある人は、かなり腸が弱ってしまっている可能性があります。もちろん、治療のために抗生物質を使わざるを得ない疾患もありますが、腸のためを考えるなら、できるだけ抗生物質に頼らないほうがいいのです。それと、痛み止めも要注意です。アスピリンやイブプロフェン、インドメタシンなどの痛み止めは、腸粘膜を弱らせて「腸もれ」を起こす一因となります。頭痛、生理痛、歯痛などで普段から痛み止めのお世話になっている人は、なるべく多用を控えるほうがいいでしょう。さらに、経口避妊薬(ピル)、ステロイド剤、制酸薬なども常用していると腸の粘膜を弱らせてしまうと指摘されています。昔から日本人は薬好きとして知られています。しかし、ちょっとした不調や痛みなどですぐに薬に頼るような生活を送っていると、かえって腸を弱らせる結果を招いてしまうのです。これからは、この点をよく理解したうえで、薬とつき合っていくべきでしょう。

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2017年

9月

16日

乳製品のタンパク質「カゼイン」

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。腸にあいた穴からは、小麦のグルテン以外にもさまざまな未消化の食べ物がもれ出ていると考えられます。そのなかでも、特に気をつけなくてはならないのが「乳製品」と「卵」です。もともと、「小麦」「乳製品」「卵」は、3大アレルゲンとされていて、これらの食品にはいずれもタンパク質が含まれています。これらのタンパク質がペプチドやアミノ酸のレベルまで細かく分解されていれば、問題はないのですが、「腸もれ」を起こしていると、未消化のタンパク質が高分子の状態のまま吸収されてしまうことになります。こうした未消化のタンパク質がアレルギーを引き起こす原因となるわけです。とりわけ、乳製品は小麦のグルテンと同じような厄介な症状を起こす可能性が指摘されています。問題を起こす原因となっているのは、牛乳やチーズなどの乳製品に含まれるタンパク質の「カゼイン」です。このカゼインが未消化の高分子状態で腸から血液中に入り、アレルギー疾患をはじめ、さまざまな不調をもたらす原因になっているのではないかと考えられているのです。こうした乳製品のカゼイン摂取によるトラブルは「カゼイン不耐症」と呼ばれています。ちなみにこれは、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする「乳糖不耐症」とは別物です。乳糖不耐症は、乳糖を消化する酵素が足りないせいで下痢などの症状が起こるものであり「牛乳を飲めない体質である」ということを示しています。一方、カゼイン不耐症の場合はカゼインというタンパク質がアレルゲンとなって起こるアレルギー反応です。こちらの場合は、体内に入ったカゼインを体が異物と認識していしまい、免疫システムが攻撃をすることでさまざまな症状が引き起こされることになります。しかも、カゼイン不耐症の場合、「牛乳が飲める人」であってもアレルギー症状が出ている可能性があります。なお、「卵」に関しては今のところ「小麦のグルテン」「乳製品のカゼイン」のような問題を引き起こす未消化のタンパク質は特定されていません。ただし、卵は食物アレルギーを引き起こしやすい食品の第1位です。気をつけておくに越したことはありません。

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2017年

9月

14日

試しに2週間「小麦断ち」

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。グルテンが自分の健康に害を及ぼしているかどうかを調べるにはいったいどうしたらいいのでしょうか?グルテン不耐症かどうか、遅発型アレルギーかどうかは、一般的なアレルギー検査ではわかりません。これを調べるには、血液中のIgG抗体を検査する必要があるのですが、この検査は日本では保険適用となっておらず、検査を受けられる医療機関も限られています。そこで、自分で調べてみるのです。「自分でアレルギーかどうかを調べるなんてできるのか?」と思う人もいるかもしれませんが、やることは極めてシンプルです。原因と思われる食品をしばらく絶ってみればいいのです。小麦のグルテンが不調の原因と疑われるのであれば、しばらくの期間、小麦食品を一切食べないようにしてみるのです。すなわちグルテンフリーの食事を行ってみればいいわけです。グルテンを絶つ期間は「2週間」が基本です。この2週間はパンやパスタはもちろん、ラーメンも、うどんも、餃子も、ケーキも…小麦が入ったものは一切口にしないようにするのです。もし、これにトライしてみて体調がすこぶるよくなるようなら、「グルテンが不調をもたらしていた可能性大」ということになります。さらに、その可能性を確実なものにしたいなら、2週間グルテンを絶った後に、ほんの少しだけパンやパスタなどの小麦食品を口にしてみるといいでしょう。もし、それで再び体調が悪くなるようなら、「クロ確定」というわけです。

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2017年

9月

12日

小腸の天敵「グルテン」

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。小麦のグルテンはタンパク質なわけですが、タンパク質は通常、アミノ酸にまで細かく分解されたうえで小腸のひだから吸収されます。分子量がちゃんとアミノ酸のレベルにまで細かくされたうえで吸収されていれば、何も問題は起こらないのです。ところが、小腸のひだの粘膜に「腸もれ」の穴があると、分子量の大きな未消化のタンパク質までもが吸収され、体内に入ってしまうことになります。人の体は分子量1万以上のタンパク質が侵入してくると、それを異物とみなして抗体をつくり、以後、同じ侵入者に対して攻撃をしかけるようになります。これによりアレルギー反応が起こるわけです。そして、グルテンは、まさに「分子量1万以上の未消化のタンパク質」なのです。つまり、「腸もれ」があると、腸粘膜の穴から悠々とグルテンが入っていってしまうようになり、侵入者に対して、さかんに攻撃が行われるようになります。これが「グルテン不耐症」などのアレルギー症状を引き起こすことになるわけです。また、グルテンには、腸粘膜を荒して「腸もれ」を悪化させる働きがあることもわかっています。グルテンに含まれるグリアジンタンパク質には、小腸内で、「ゾヌリン」という物質を放出させる作用があり、このゾヌリンの濃度が高くなると小腸粘膜細胞の結合部分が緩んで、より穴があきやすくなるのです。これはすなわち、普段からパンやパスタ、ピザ、うどんなどの小麦食品を摂ってグルテンを入れていると、「腸もれ」が進みやすくなるということです。グルテンが腸に入ると「腸もれ」が起きやすくなり、「腸もれ」が起こるとグルテンが体内に侵入しやすくなり、グルテンが体内に侵入するとアレルギー症状がひどくなり…といったように、どんどん悪循環を招いてしまうことになるわけです。

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2017年

9月

11日

「腸もれ」が炎症を引き起こす

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「腸もれ」が起こると数多くの健康リスクが生じますが、中でもとりわけ重大なリスクは「異物の侵入を許してしまうこと」です。本来は入ってはいけないものが体に入ってしまうのがいちばんマズイわけです。腸にあいた穴からは、毒素、腐敗物、微生物、腸内細菌、未消化の食べ物などが入り込み、腸壁の毛細血管から血液中へと吸収されていくことになります。これらの「本来入ってはならない者たち」は、腸壁の毛細血管から血流に乗って細い血管から太い血管に入っていき、体内のあちこちに運ばれていくのです。これらの異物は「本来入ってはいけない侵入者」ですから、免疫システムが発動し、侵入者を駆逐するために白血球が動員されます。すると、体のあちこちで侵入者と白血球の戦闘が繰り広げられることになります。そして、その戦闘によって引き起こされるのが「炎症」です。「腸もれ」によって体内に入った侵入者たちは、体のあちこちに行き着いて、各所で炎症を引き起こすのです。この炎症は、体各所の臓器の組織を傷つけて、さまざまな不調を引き起こす原因となります。たとえば、侵入者が肝臓に行き着けば肝臓で炎症が起こり、その負担が疲労感などにつながりますし、侵入者が肌の細胞に行き着けば、肌細胞で炎症が起きて肌荒れなどにつながります。また、血管内にとどまった侵入者は、白血球と闘ったあげく、血管内で炎症を引き起こします。最近の研究で、血管内で発生する炎症が糖尿病や動脈硬化を進行させる大きな要因になっていることが分かっているのです。

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2017年

9月

10日

腸もれの穴

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。みなさんは「腸もれ」になるとどれくらいの大きさの穴があくと思っていますか?肉眼でわかるような穴がポッコリとあいているわけではありません。小腸にそんな大きな穴があいていたら人は死んでしまいます。「腸もれ」によって生じる穴は、腸粘膜の細胞と細胞の間にできるごく微小なものです。穴というよりも「隙間」という表現のほうが正しいのかもしれません。小腸の腸壁は「絨毛」と呼ばれるひだひだの突起でびっしり覆われています。このひだひだを広げていったら、バドミントンのコートの広さくらいになると言われています。さらにその絨毛の突起一つ一つは、「微絨毛」という細かいひだひだでびっしり埋め尽くされています。そして、「腸もれ」は、この微絨毛を形成している細胞と細胞の隙間に生じます。さまざまな要因により腸が疲弊してくると、細胞と細胞が接している結合部分がゆるんできます。すると、このゆるんだ隙間が穴のように広がっていってしまうわけです。どんなに小さな穴でも、「もれ」があると機能に大きな影響が生じることは少なくありません。自転車のタイヤチューブは、目に見えないくらいの小さな穴であっても、あいていれば、いくら空気を入れ直しても数時間後にはぺちゃんこになってしまいます。「腸もれ」の程度にもよりますが、ひどい人の場合、微絨毛の粘膜細胞間に無数の小さな穴があいていると考えられます。

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2017年

9月

08日

すべての病気は腸で始まる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「すべての病気は腸で始まる」古代ギリシャにおいて「医学の父」と称されたヒポクラテスが残した言葉です。腸が人間にとってどんなに重要な働きをしているか、すでにみなさんは多くのことをご存知でしょう。私たちの腸には、3万種類以上、1000兆個以上の腸内細菌が棲んでいます。これらの腸内細菌が形成する「腸内フローラ」は、私たちの「生きる力」をつくり出している工場のような存在です。食べ物を消化して栄養を吸収しているのはもちろん、免疫力を維持したり、ビタミンやホルモンをつくったり、人間が生命活動を営むためのエネルギーはすべてここから生み出されているようなものです。私たちが日々病気にならずに済んでいるのも、心や体の調子を問題なく維持できているのも、ひとえに「腸が健全に働いているおかげ」と言っていいでしょう。しかし、もしもこの腸に「穴」があいていたら、どうなると思いますか?腸は「体に必要なもの」だけを吸収し、「不必要なもの」を入れないようにしている器官であり、悪いものの侵入を防ぐバリアの役割を果たしています。その腸に穴があいていたら、毒素や細菌、未消化の内容物といった「体に不要なもの」「体に害悪なもの」がバリアを突破してどんどん侵入してきてしまうようになります。そして、こうした「招かれざる侵入者たち」が体のあちこちで悪さを働いたらどうなることでしょう。実はいま、こういった腸のトラブルが、世界中多くの人々の身に現実に起こっているのです。腸に穴があくトラブルは、欧米では「リーキー・ガット・シンドローム」と呼ばれています。直訳すれば「腸もれ症候群」です。近年、アメリカでは「心身にさまざまな不調を引き起こすトラブル」「多くの重大な病気につながる可能性の高いトラブル」として、このリーキー・ガット・シンドロームが大きな注目を集めるようになってきています。 

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2017年

9月

07日

生後10ヶ月が体質を決める

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。現代人の腸が弱くなって、食物アレルギーが多発するようになってしまったのには数多くの要因が絡んでいます。そうした要因の中でもいちばん問題なのは、赤ちゃんが生まれてから生後10ヶ月くらいまでの期間、ばい菌や雑菌を排除して過度に清潔すぎる環境で育ててしまうのがいけないのです。なぜなら、この「生まれてから生後10ヶ月までの期間」は、腸内において腸内フローラが形成される重要な時期だからです。実は、この時期においてどれだけ多くの菌と接触したかが、その子がアレルギーになるかならないかを決定していると言ってもいいのです。そもそも、赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいる間は完全な無菌状態で育ちます。それが分娩時に産道を通る際に膣内の菌に初めて接触し、この世に生まれ落ちてからは、自分を取り巻くさまざまな種類の大量の菌に接触していくことになります。最初、赤ちゃんの腸内では、母乳やミルクを飲むことにより、善玉菌のビフィズス菌やラクトバチルス菌が一気に増加します。さらに、ハイハイをするくらいの時期になると、その辺にあるものを手当たり次第にペロペロと舐めるようになって、周囲の菌をどんどん腸内に取り入れるようになります。免疫が未発達の赤ちゃんが雑菌だらけの世で生き延びていくには、できるだけ多くの菌を取り入れて免疫を高めていく必要があります。そのために赤ちゃんは、本能的に自分の周囲のものを手当たり次第に舐め、いろいろな菌を入れて免疫を高めようとしているわけです。私たちの身の回りに偏在する菌のなかにはいい働きををするものもいれば、少しだけ悪い働きをする「ちょい悪菌」もいます。でも、いい菌も悪い菌も含めて、赤ちゃんのときにできるだけ多様な種類の菌を取り入れるほうが、丈夫で免疫力の高い腸内フローラの形成につながるのです。赤ちゃんの腸内フローラが完成するのは生後10ヶ月頃です。このころになると、腸内における腸内細菌の勢力分布があらかた決定します。そして、人はこのときに決まった腸内フローラの組成バランスを一生涯持ち続けていくことになるのです。

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2017年

9月

04日

おやつはナッツがおススメ

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。健康のためにおやつはガマン、という人を見かけますが、血糖値を上げないおやつであれば問題ありません。たとえば、午前中にココナッツオイルを摂っても、ちょうど午後3時頃にはケトン体の血中濃度が下がってしまいます。ここでココナッツオイル入りコーヒーやおやつを食べておくと、夕食前に再びケトン体の血中濃度が高くなり、食べ過ぎる心配がありません。とはいえ、チョコレートやケーキ、シュークリーム、アイスクリームなどの甘いお菓子は厳禁です。ケトン体をつくりたいのであれば、おススメはミックスナッツです。アーモンドやクルミ、カシューナッツなど木にできるナッツは、糖質をほとんど含まないので糖質制限中のおやつに最適です。中でも、クルミはオメガ3系脂肪酸を多く含んでいるので、体内の油のバランス調整にも役立ちます。

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2017年

9月

01日

加工食品のリスク

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。加工食品は、安価で加工しやすいオメガ6系脂肪酸が多く使われています。加工食品をたくさん食べていると、炎症をもたらす「陸の油」を過剰に摂ることになります。さらにもう1つ、加工食品には心疾患のリスクを高める悪い油、「トランス脂肪酸」が含まれています。トランス脂肪酸は天然の植物油にはほとんど含まれていないのですが、水素を加えて加工する過程で発生します。マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどに多く含まれるほか、パン、ケーキ、ドーナツ、クッキー、スナック菓子、生クリームなどの原料として使われています。アメリカ食品医薬品局(FDA)は、トランス脂肪酸が心疾患のリスクを高めることから「安全とは認められない食品」として、2018年8月までに食品添加物としての使用を禁止すると発表しました。世界保健機関(WHO)もトランス脂肪酸の摂取量を抑えるべきとしていて、1日当たりの摂取量を総エネルギー量の1%未満とするよう勧告しています。これだけ危険視されているトランス脂肪酸ですが、日本では加工食品に使われており、どれくらい含まれているかという表示は義務付けられていません。加工食品をたくさん食べている人ほど、トランス脂肪酸をたくさん摂取していることは間違いないでしょう。

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