2020年7月ブログ

2020年

7月

28日

本八幡の整体院より,力を抜くテクニックが大事

本八幡の整体、風の整体院の岩田です。「メリハリ」とはよく聞く言葉です。辞典で調べると、漢字では「減り張り」と表記されます。ものごとに強弱、緩急をつけるニュアンスで「仕事にメリハリをつける」「メリハリをつけた練習をこころがける」などと使われます。緩急、強弱を指す「メリハリ」は、持続力を維持できるという点では、大切な概念です。豪速球で押すタイプのピッチャーは、肩の酷使などもあって総じて選手生命が短いでしょう。プロゴルファーも、飛距離自慢だけでは大成することはありません。どのスポーツにおいても、力業だけでは長続きはせず、技能によって「力を抜く」テクニックが求められるのです。「メリハリ」を病気の症状でおなじみの「急性」と「慢性」という2つの視点で考えてみると、急性は、「メリハリ」でいう「張り」の部分です。短時間にエネルギーを集中的に注いでおこなうものを指します。100mダッシュや重いバーベルを上げるなど、瞬発的な動作をイメージするといいでしょう。このような短時間ながら激しい「急性」の動きは、脳の覚醒レベルを上げることが知られています。こうした動きによって、刺激に対するレスポンスまでの時間が早くなる、あるいは判断力がアップするといったメリットが生じます。これらの効果は、注意・覚醒の神経伝達物質であるノルアドレナリンのはたらきが活性化することによると考えられています。激しい運動の直後は食欲がなくなりますが、ノルアドレナリンによって胃腸の活動が抑えられることからも、ノルアドレナリンと「急性」の運動の関連性は間違いなさそうです。一方で、散歩や長距離走、ストレッチなど、長時間にわたって活動を維持し続ける「慢性」の動きは、気分を向上させることが知られています。長めのリズミカルな運動で活性化するのは、うつ、不安をやわらげる神経伝達物質セロトニンです。ノルアドレナリンの「急性」効果が「脳がスッキリ!」という鮮やかな感覚ならば、セロトニンによる「慢性」効果は「なんとなく気が晴れる」というマイルドなものかもしれません。「メリハリ」をつけるやり方には、ノルアドレナリンとセロトニンという異なった神経伝達物質が、役どころを変えて交互に持ち味を発揮できるという強みがあります。これを活かさない手はありません。「メリハリ」の「減り」の部分では、ゆったりとリズミカルに「慢性」的な動きをするのが効果的です。もちろん、一息ついて席を立ち、休息するのでもかまいません。休むことは、セロトニンの機能を高める効能があるだけではなく、ノルアドレナリンの刺激によって疲れた心身をいったん休めるメリットもあります。ノルアドレナリンによる「急性」の刺激ばかりが続くと、心身の疲弊は避けられません。交感神経の刺激が続きすぎてしまい、持続力がなくなるデメリットもあるのです。「メリハリ」という言葉にも、科学的な裏付けがあると思えば、もっと真面目に「メリハリ」をつける気にもなるのではないでしょうか。

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2020年

7月

18日

本八幡の整体院より,女性は「寒さ=ストレス」

本八幡の整体、風の整体院の岩田です。女性の疲れに深く関係している「冷え性」についての説明です。「職場の室温はスーツを着た男性に合わせて低く設定してあるので、手足が冷たくなってつらい」「スーパーに行くと、冷蔵ショーケースの冷気で体が冷えてしまう」「空調がきいた建物から外に出ると、急激な温度差で立ちくらみや頭痛がする」男性には、あまり実感できないかもしれませんが、冷えに関連する苦痛は女性にとって、とても深刻な悩みです。女性の多くが寒さに弱いのは、男性に比べて筋肉量が少ないことから、熱エネルギーの生産能力が少ないためです。寒さは、女性にとって、男性が感じるよりも強いストレスとなります。女性の体の末端や表面が冷えがちなのは、体温が下がるのを防ぐために、体の末端や表面の血管を収縮させ、毛穴も閉じて、放熱をできるだけ避けるためです。これによって、内臓などがある体の温度「深部体温」の低下を防ぐのです。そして、職場や買い物先など強い冷房の中で交感神経が緊張した後、外に出たり、家に帰ってくつろぐと、急激に体温が上がり、副交感神経優位となります。その結果、血管が拡張して血流が増えるわけですが、強く冷やされた後に、急激に血流が回復することで、だるさ、頭痛、腹痛などの症状が現れます。これらが、冷えに関連する苦痛や疲れの正体で、体温低下から身を守る反応であることもわかります。いつも強い冷気にさらされていると、この反応が過激になっていきます。ちょっとでも寒さを感じると、交感神経が優位になり、強い冷えを感じるようになり、それに対する副交感神経の反応も大きくなって、だるさ、頭痛、腹痛も激しくなります。冷えからくる不快な諸症状を緩和するために薬を使うと、交感神経性緊張に傾き、冷えの症状をさらに悪化させてしまいます。本当の対策は、体を冷やさず、温めることです。

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2020年

7月

10日

本八幡の整体院より,記憶力にも「息抜き」が大事

本八幡の整体、風の整体院の岩田です。勉強にも仕事にも、「息抜き」「休憩」が大切です。これはわたしたちの日常的な実感としても、十分納得できることだと思います。でも、時間との勝負のような状況ではどうでしょう。あるいは、試験前の一夜漬けで、5分も休めない状況だとしたら?「休んでなんかいられない」と思ってしまうのも、無理ないように思われます。そんな時は、休憩することに科学的根拠があれば、安心して休憩を取れるのではないでしょうか。睡眠や仮眠が脳にプラスに働く研究は多いのですが、休憩となるとどうでしょうか。実を言うと、「休憩」「息抜き」の定義があいまいなのが、研究デザインを考えるときに立ちはだかる壁です。コーヒーを飲んで一服する、という場合は、カフェインやニコチンの影響を考えなければいけません。「息抜き」といっても、人によって、ネット、読書、ボーっとする…と、さまざまです。万人向けで、しかも他の要因を含まない純粋な休憩という定義は、なかなか難しいのです。記憶についての研究によれば、一夜漬けなどで短時間に詰め込んだ知識よりは、ある程度の時間をかけて、休憩を挟みながら繰り返し勉強して得られた知識のほうが、記憶が長続きするというデータが知られています。経験的にも納得のいくことですが、独立行政法人理化学研究所を中心としたグループが2011年に発表した論文で、この現象の科学的根拠を明らかにしました。適度に休憩を挟むほうが、記憶力が高まるという研究結果です。

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2020年

7月

02日

本八幡の整体院より,こころの余裕がひらめきを生む

本八幡の整体、風の整体院の岩田です。日常のルーチンワークに忙殺されることだけが、仕事ではありません。発想の転換、魅力あるプランをひねり出す、斬新なアイデアを思いつくなど、創造力を発揮する思考作業こそが、重要度が高くやりがいあるというものです。考えを練りに練って、苦労の末に生み出されるアイデアもあれば、「ひらめき」の助けによって、素晴らしい案が生まれることもあるでしょう。言うまでもありませんが、精神的にも肉体的にも疲労していると、思考を粘り強く続ける持続力はもちろん、ひらめき、直感といった偶然の産物までもが、失われる可能性が高くなります。野球の千本ノックのように、へとへとになってからの練習が効果的…は、旧態依然とした体罰要素の強い練習です。ものを考えることも同じです。へとへとになって注意・集中力が失われてから考えても、いいアイデアが出るはずがありません。特に、あるテーマを考え続いていて、あるとき突然ヒントや結論が得られる「ひらめき」は、脳の休息、とりわけ睡眠を必要とすることがわかっています。よく引用される「ネイチャー」誌の論文ですが、ここで少し紹介しましょう。ドイツ・リューベック大学のグループがおこなった心理実験です。学生66人に数学的な「ひらめき」を必要とするパズルを解かせました。次に、パズルを解けなかった人たち、つまり「ひらめき」の足りなかった人たちだけを集め、彼らをA・B・Cの3つのグループに分けました。

A・朝に問題を見せて、起きたまま8時間考える。

B・夜に問題を見せて、そのまま徹夜で8時間考える。

C・夜に問題を見せて、そのまま8時間の睡眠をとる。

A・B・Cそれぞれのグループに8時間後、パズルに再チャレンジしてもらいました。結果は、考えないでそのまま睡眠に入ったグループCが、もっとも優秀な成績を出すことができました。

化学式のベンゼン環は、ドイツの科学者、アウグスト・ケクレが睡眠中の夢の中でひらめいたと伝えられています。DNAの二重らせん構造を発見してノーベル賞を受賞したジェームズ・ワトソン博士にも、似たようなエピソードがあります。休憩は、スケジュールに柔軟性や耐久性を生み出します。精神的にも余裕が生まれるので、発想力が高まったり、同じ時間での集中力が高まって生産性が向上したりします。ひらめきは、大脳皮質によって生み出される頭脳活動であると考えられています。そして、大脳は休むことで神経細胞をつなぐ枝を組み替えて、記憶の整理作業をおこなっているのです。休憩や睡眠を取らないで、仕事三昧でクタクタになってばかりでは、「ひらめき」力も失ってしまい、結果も残せず負のスパイラルに陥ります。自分の創造力を維持するためにも、休憩や睡眠で脳を休める習慣を身につけましょう。

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