2017年11月ブログ

2017年

11月

30日

「かく」ことは気持ちいい

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。かゆみ感覚をシンプルに定義することはとても困難です。国際学会では、かゆみは「かきたいという衝動を引き起こす不快な感覚」と定義されています。わかったような、わからないような不思議な定義ですが、「かゆみ」と「かきたいという気持ち」が非常に強い結びつきを持っていることがわかります。みなさんも、かゆいところをかく時に「気持ちいい」と感じることがあると思います。しかし、よく考えると、それはとても不思議なことです。痛いところを触っても、気持ちよくはなりません。他の感覚も同様で、かゆみだけが特別なのです。かゆいところをかいたときに、私たちの脳の中で、何か特別なことが起こっているにちがいありません。「かゆいところをかくと快感が生じる。その時、脳内で何が起こっているのか」それを実験した研究があります。人間の脳活動を調べる時に、現在最も広く使われている最先端の方法は、機能的MRIという方法です。脳の中でも、活動が高まっている部位では血流が増えます。機能的MRIを用いることにより、血流が増えている部位がわかります。そこが、活動が高まっている場所になるのです。実験は非常にシンプルなものです。電気によるかゆみ刺激を、被験者さんの手首に与えます。そして、2本の指に見立てて作った細長い銅製の道具で皮膚をかきます。一方のグループは。かゆみ刺激を与えられている手首をかきます。被験者はとても気持ちがいいので「快楽条件」と命名されました。もう一方のグループは少し離れた前腕部をかきます。少しも気持ちよくありません。両者の違いは、与えている刺激自体は同じなので「気持ちがいいかどうか」です。機能的MRIで脳活動を調べてみると明らかに「快楽条件」の時だけに大きな活動が見られる場所がありました。それは、中脳や線条体にある「報酬系」とか「快楽中枢」と呼ばれる場所でした。この場所は、ギャンブルで儲けたとか、宝くじに当たったというような、物質的な快楽を覚える時に活動します。また、良いことをして他人に褒められるような心理的な快楽を覚える時にも活動します。つまり、「かゆいところをかく」ことは、人間にとって大きな快楽なのです。この実験では、報酬系のほかに、運動前野という場所と補足運動野という場所も活動していることがわかりました。これらは、運動準備、つまり体を動かそうとする前に活動する場所です。「かこうとする」運動の準備です。私たちは、やはり自分でかきたいのです。

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2017年

11月

27日

気軽な骨トレ・ウォーキング

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「年齢も体力も関係なく、誰もが気軽にできる骨トレってないの?」そのような声が聞こえてきそうですね。誰もが自分のペースで取り組めて、効果の高い骨トレといえば、ズバリ「ウォーキング」です。ウォーキングは骨力アップのための代表的な運動の1つです。ウォーキングは足を前へ踏み出すたびに、全身の体重が負荷として骨にかかります。そのたびに骨を刺激し、骨芽細胞による骨形成をプッシュアップします。骨密度の減少を食い止めるのはもちろん、骨密度を高めて骨粗しょう症の予防や治療にも効果を発揮します。また、脚力のほかにバランス能力も鍛えられるので、転倒や骨折の予防にも役立ちます。大腿骨近位部(足の付け根)の骨折の80%は転倒がきっかけで起こります。足腰が弱り、ちょっとバランスを崩すとそのまま転んで、足の付け根を折ってしまうのです。ウォーキングは、この足の付け根の骨折を予防する効果が認められています。歩行能力が高い人ほど転倒しにくいからです。さらに、戸外を歩くことで日光浴にもなります。適度に日差しを浴びることで、カルシウムの吸収や沈着を促すビタミンDが皮膚で合成されるので、ますます骨密度アップを期待できます。

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2017年

11月

26日

骨トレに効く運動、効かない運動

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨を強くするには、運動が不可欠です。また、いくつになっても、骨は鍛えられます。それでは、具体的にどのような運動が骨力アップに有効なのでしょうか。実は、運動なら何でもいいという訳ではないのです。気をつけたいのは、骨を鍛える運動とは、筋肉を鍛える運動とは異なるということです。運動によって骨芽細胞を活発にしたり、カルシウムの骨への沈着を促進したりするには、骨に重力や衝撃が加わること、つまり適度な負荷がかかることが必須条件です。ですから、浮力が働いて重力が軽減してしまう水泳では、骨への負荷がかからないため、骨トレの効果を望めません。水泳は筋肉を鍛えたり、心肺機能を高めたりするにはとても有効ですから、水泳をしている人は、かかとに負荷のかかる水中ウォーキングをあわせて行うことをおすすめします。20代、30代の若い人はもちろん、60代までの体力や足もとに自信のある元気な方の簡単な骨トレとして、おすすめするのは「かかと落とし」と「ミニジャンプ」の2つです。いずれも、骨に機械的な負荷が加わり、骨形成を促進して強い丈夫な骨をつくるのに効果があります。かかと落としは、キッチンで料理をしながらでもできるので、こまめに行えます。ミニジャンプは、体重の何倍もの負荷が骨に加わるので、高い効果を期待できます。どちらの運動も何回かに分けて行ってかまいません。一度にたくさんやるより、気長に続けることが肝心です。

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2017年

11月

23日

運動で骨が強くなるメカニズム

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。運動で骨に負荷をかけると、どのような仕組みで骨が強く丈夫になっていくのでしょうか。その理由は、次の2つのことが明らかになっています。1つは、運動によって負荷がかけると、骨をつくる骨芽細胞が活発に働き出し、骨質の改善と骨量の増加がはかられ、骨をより丈夫で強いものに作り替えるということです。骨に運動による負荷が加わって揺れると、骨の司令塔である骨細胞が活性化し、ただちに骨芽細胞を活性化させるタンパク質を放出します。すると、このタンパク質を受け取った骨芽細胞はフル稼働をはじめ、骨を丈夫で強いものに作り替えていくのです。骨粗しょう症予備群の人や、すでに骨粗しょう症を発症している人は、骨量の減少などから骨そのものが脆く弱いものになっています。ごくわずかな力を加えただけでも、骨には大きな衝撃となって伝わります。ですから、ちょっとした軽い運動でいいのです。激しい運動をたまにするより、骨芽細胞が働き続けるよう、軽くても骨に負荷のかかる骨トレをコンスタントに続けることが大事です。たとえば、ごく軽いウオーキングでも毎日続けることで、骨はより丈夫で強くなっていきます。運動によって骨が強くなるメカニズムの2つ目は、運動で骨に負荷がかかることによって、骨の主成分であるカルシウムの骨への沈着が促され、ほねの石灰化が進むことです。運動で骨に力を加えると、骨にマイナスの電気が発生します。するとプラスの性質を持つカルシウムが引き寄せられ、骨の主成分の残り半分を占めるコラーゲンに沈着して、骨を丈夫で強いものに作り替えていくのです。全身の骨のなかでも大きな力や衝撃が加わるところほど、より強いマイナスの電気が発生します。すると、カルシウムも強いマイナスの電気により多く引き寄せられ、大量のカルシウムがコラーゲンに沈着して、びっしりと詰まった骨になります。これとは反対に、骨のなかでも力の加わらなくなったところは、わずかなマイナスの電気も発生しません。骨は古くなると破骨細胞によって古い骨が削られ、中のカルシウムが引き出されるため、負荷のかからない骨はカルシウムが溶け出していく一方となって、どんどん弱くて脆い骨へと変質してしまいます。このように、運動には骨を強く丈夫にする働きがあります。成長期に運動して骨密度を高め、「骨貯金」をしておくことはもちろん大切ですが、骨が減り始める年代になっても、運動して骨量を少しでも増やすことはとても大切です。むしろ、骨が減り始めたり、減ってきたときこそ、運動して骨量の減少を食い止めることが重要です。

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2017年

11月

20日

骨も鍛えれば強くなる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。私たちの身体はとても合理的にできています。少しでも使うところは強く丈夫になる一方、あまり使わないところは次第に衰え、弱く脆くなっていきます。典型的なのが筋肉です。身体を動かせば動かすほど、あるいは重いものを持てば持つほど、筋肉は鍛えられ、強靭になります。しかし、身体をほとんど動かさず、重いものを持つ機会も滅多にないような生活を送っていると、筋肉はやせ細り、委縮してしまいます。このような筋量、筋力の減少をサルコペニアといい、加齢のほか、日常活動量、栄養状態、炎症性疾患、糖尿病などが関連するといわれています。骨も筋肉と同じです。運動で骨に負荷をかければかけるほど鍛えられ、丈夫で強い骨になります。逆に、骨に負荷のかからない生活を送っていると、弱くて脆い骨に変質してしまいます。たとえ食事に気をつけて骨に必要な栄養素をしっかり摂っていても、運動不足では丈夫な骨をつくることはできません。骨粗しょう症の治療や予防のためには、日頃から運動をして骨に負荷をかけ、太くて丈夫な強い骨につくり替えていくことが大切なのです。「でも、筋トレで筋肉は鍛えられるけど、骨って鍛えられるものなの?」このような疑問の声が聞こえてきそうですね。どんなに歳を重ねていても、筋トレに励めばそれなりに筋力アップがはかれるというのは、みなさんご存知だと思います。骨も同じです。10代、20代の骨の成長期はもちろん、60代、80代になっても、骨トレに励むことで、骨は鍛えられ、丈夫で強くなるのです。

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2017年

11月

19日

骨を若返らせるMBP

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。MBPは牛乳や母乳などに、ごくわずかに含まれているタンパク質の複合体です。ミルクベーシックプロテイン(乳塩基性タンパク質)が正式名称で、これを略して「MBP」と呼んでいます。骨は新陳代謝を繰り返し、少しずつ古い骨が新しい骨に生まれ変わっています。破骨細胞が骨を溶かし、溶かしたところを骨芽細胞が新たな骨をつくり埋めているのです。しかし、破骨細胞が暴走すると骨芽細胞のコツ形成が追いつかず、骨からカルシウムが溶け出します。そしてスカスカで脆い、骨折しやすい骨粗しょう症特有の骨に変質させてしまいます。MBPはこの破骨細胞の暴走を抑える一方、骨をつくる骨芽細胞の数を増やして新たな骨づくりをサポートします。1日40mgのMBPを摂りつづけたところ、3ヶ月で骨の新陳代謝=骨代謝が改善し、6ヶ月で骨密度が上がったことが確認されています。ちなみに1日40mgのMBPは、牛乳4本分(800㏄)にあたります。牛乳をはじめとする乳製品は、骨の主成分であるカルシウムやタンパク質が豊富です。ただし、乳製品が骨の健康維持をはじめ、骨密度の減少や骨粗しょう症の予防に役立つといわれる理由は、それだけではありません。乳製品のなかのごく微量のMBPが骨代謝を改善し、骨密度を上げるので役立つと高く評価されているのです。

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2017年

11月

17日

骨の健康のために避けたい成分

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨の健康のために、積極的に摂取したい栄養素と、逆に、なるべく避けたい成分とがあります。たとえば、カルシウムの体内への吸収を損ねたり、体外への排出を促したりするものです。代表的なものとしては、リンや食塩(ナトリウム)、お酒、コーヒー、タバコなどがあります。リンはカルシウムと結合してリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)となり、骨をつくる重要な成分の1つとして働きます。しかし、必要量を超えた過剰なリンは、小腸でのカルシウムの吸収を阻害します。また、過剰なリンは便とともに排泄されますが、その際、カルシウムを道連れにするため、カルシウム不足に拍車をかけることになります。カルシウムは1日に約200mgもの量が尿や汗、便などとともに体外へ排泄されます。過剰なリンはこれを促進させてしまうのです。リンはポテトチップスなどのスナック菓子をはじめ、ハンバーグやホットドッグなどのファーストフード、インスタント食品、加工食品などの保存料や酸味料として幅広く利用されています。そのため、多くの人が気づかないうちにリンを過剰に摂取しています。こうした食品はなるべく避けることが、カルシウム不足を招かないコツです。過剰な塩分(ナトリウム)の摂取が、高血圧や動脈硬化、心筋梗塞などを招くことはよく知られていますが、ナトリウムの害はそれだけではありません。尿中へのカルシウムの排出を促し、体内のカルシウムを不足させてしまいます。世界保健機関(WHO)は健康維持のため、1日の食塩摂取量を5gに抑えるように提唱しています。しかし、日本人の食塩摂取量は男女とも1日9.4~11.1gに達し、WHOが提唱する摂取量の約2倍にのぼります。普段からこれだけ多量の食塩を摂っていれば、体外へ排泄されるカルシウムも大変な量になります。日本の塩分過剰の食スタイルは、改善が切実に求められています。また、食塩はリンと同様にファーストフードや加工食品などに比較的多く含まれています。ファーストフードや加工食品はなるべく控えるよう心がけましょう。

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2017年

11月

14日

ビタミンB6が体内に多いと骨折しにくい

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨の構造を高層ビルにたとえると、コラーゲンなどのタンパク質が鉄筋で、カルシウムなどのミネラルがコンクリートにあたります。コラーゲンは繊維状をしていて梁のようなもの(コラーゲン架橋)でお互いをつなぎとめ、高層ビルの鉄筋のような役割を果たしています。コラーゲン繊維同士を結びつけている梁がよい状態なら、コラーゲンは秩序正しくしっかりとつなぎとめられ、弾力性に富んだしなやかな骨になります。ところが、悪い梁になってしまうと、コラーゲン繊維を無秩序につなぎとめるため、硬いだけで弾力のない骨になり、ちょっと衝撃を受けてもしなることができず折れやすくなってしまいます。悪い梁の多い人の血液を調べると、ある特徴があります。ペントシジンと呼ばれるアミノ酸の血中濃度が高いのです。つまり、ペントシジンが悪い梁を増やす犯人なのです。このペントシジンの増加を抑えて、悪い梁を減らし、よい梁を増やす働きがあるのが、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の3つのビタミンです。なかでも重要なのはビタミンB6です。骨折しやすい人の体内ではビタミンB6が少なく、逆に骨折しにくい人の体内ではビタミンB6の多いことがわかっています。ところが、ビタミンB6は食べものから摂りにくいビタミンといわれます。ビタミンB12と葉酸は、かろうじて1日に必要な摂取量をクリアしているものの、実は、ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸は共同して働くので、ビタミンB6が不足するとビタミンB12と葉酸も力を発揮できません。摂取しにくいビタミンB6をどうやって摂るかが、質のよいしなやかな骨をつくる決め手といえます。ビタミンB6は、マグロやカツオ、サケなど赤身の魚や、鶏肉、ニンニクなどに多く含まれています。また、3つのビタミンを一緒に摂取できる食べものとして、肉類のレバーがあります。

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2017年

11月

13日

骨密度を高めるカロテノイド

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。カロテノイドは、天然の動植物に広く含まれる黄、橙、赤色などの色素成分です。代表的なものに、ニンジンやカボチャなど緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテン、ベリー類に特徴的なルテイン、トマトのリコピン、ワインのポリフェノールなどがあります。いずれのカロテノイドにも、強い抗酸化力があり細胞が酸化するのを防ぎますが、種類によって働きかける細胞や及ぼす作用が異なり、得られる効果も違います。これまでの研究で、骨代謝との関係が確認されているのは、β-カロテン、リコピン、β-クリプトキサンチンです。β-クリプトキサンチンはミカンにとりわけ多く含まれています。冬が旬のミカン、夏野菜のトマト、秋に豊作となるカボチャ…旬の味覚を味わいながら1年を通して彩のよい野菜や果物を食卓に並べることは、骨はもとより健やかな心身を養うことにつながります。

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2017年

11月

12日

骨粗しょう症改善効果がある亜鉛

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。細胞が代謝活動を行うときには、さまざまな酵素が働きますが、亜鉛にはその酵素を活性化させる働きがあります。骨代謝によって骨が形成されるときにも、骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)という酵素が働きますが、亜鉛は骨型アルカリフォスファターゼの活性化にも不可欠です。つまり、亜鉛には骨形成を促進する効果があるのです。また、最近の研究によって、亜鉛には骨粗しょう症を改善する効果のあることも認められました。骨粗しょう症のマウスに亜鉛を与えたところ、尿中へのカルシウムの排出量が減ることが認められており、亜鉛がカルシウムの再吸収を助けて、骨を丈夫にしていると考えられます。体内にある亜鉛の量は鉄とほぼ同じくらいですが、尿や汗として排泄される量は鉄の10倍にも及びます。骨粗しょう症の予防や治療には運動が有効ですが、運動によって発汗が増えるとそれだけ亜鉛も不足します。亜鉛は、細胞分裂や免疫システムにも深く関わり、私たちの生命維持そのものにとっても大事なミネラルです。日頃から、卵やレバー、カキ、ホタテ、アルファルファなど亜鉛を多く含む食品を摂って、全身の老化を防ぎましょう。

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2017年

11月

11日

カルシウムとコンビで働くマグネシウム

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。干しヒジキなどに多く含まれるマグネシウムも、骨の健康にとって欠かせないミネラルです。大人の体内には約30gのマグネシウムがあり、その約6割が骨に含まれ、骨の弾力性を高めて丈夫な骨にしています。残りのマグネシウムは歯や筋肉、神経、脳などに存在していて、筋肉を弛緩させたり、血圧を下げたり、神経の興奮を抑えたり、さまざまな働きを担っています。筋肉や神経などで働くマグネシウムが不足してくると、補給のために骨に含まれるマグネシウムが溶け出します。その際、カルシウムも一緒に溶け出しますが、その量はマグネシウムの約5倍にも及びます。つまり、マグネシウムがほんのわずか不足しても、あっという間にカルシウムのバランスが崩れて、スカスカの脆い骨になってしまいます。健康に必要とされるマグネシウムの量は、女性が1日270~290mg、男性が320~370mgですが、男女ともにすべての年代において、必要な量を摂取できていません。常に不足しがちなマグネシウムは、意識して摂りたい成分の1つです。マグネシウムは、納豆やナッツ類や海藻、緑黄色野菜などに豊富に含まれています。

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2017年

11月

10日

丈夫な骨の維持に欠かせないビタミンK

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。ビタミンKには、骨にカルシウムを沈着させる作用があり、丈夫な骨を維持するのに重要な栄養素です。また、カルシウムが石灰化して丈夫な骨になるときに、骨芽細胞から分泌されるオステオカルシンというタンパク質が働きます。ビタミンKは、このオステオカルシンの生成に不可欠な成分でもあります。ビタミンKが不足すると、出来の悪いオステオカルシンが増えて、骨にカルシウムが取り込まれにくくなると同時に、骨からカルシウムが溶け出しやすくなって、骨が脆くなってしまいます。骨の健康を維持するには、納豆やレタスなどビタミンKが豊富な食べ物を積極的に摂り、常に体内に十分なビタミンKが確保されるようにすることが大切です。ちなみに、ビタミンKには、ビタミンK1とビタミンK2の2つのタイプがあります。前者のビタミンK1は、アシタバやカブの葉、ツルムラサキ、春菊などの緑黄色野菜に豊富に含まれています。後者のビタミンK2は、微生物や腸内細菌などによってつくられます。大豆を納豆菌で発酵させてつくった納豆は、最強のビタミンK2食品といわれています。どちらのビタミンKも有用ですが、とりわけビタミンK2は、実験によって骨量を増やすことが確認されていて、骨粗しょう症の予防だけではなく、治療にも役立つと認められ、薬にまでなっています。実際、ビタミンK2の宝庫である納豆をよく食べる地域ほど、大腿骨近位部骨折が少ないというデータもあります。納豆をあまり食べない近畿以西の西日本と比べ、納豆を常食とする東北や関東で大腿骨近位部骨折の発生数が少ないこともわかっています。納豆にはビタミンKのほかにも、骨の材料となるタンパク質やカルシウム、カルシウムを助けるマグネシウム、体内で女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンなど、骨の健康を守る成分がたくさん含まれています。これまで納豆に馴染みがなかったという人も、これを機に、ぜひ食卓に納豆をあげてください。

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2017年

11月

06日

骨のしなやかさをつくるタンパク質

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨はコラーゲンを主体とするタンパク質の骨基質に、カルシウムを主体とするミネラルの骨塩が塗り固められるようにしてつくられています。骨のコラーゲンは、みずみずしい肌を保つのに欠かせないコラーゲンと同じものです。骨の体積の50%、重量の25%がコラーゲンです。コラーゲンは骨をつくっているタンパク質の9割を占め、骨組み(骨基質)として骨を形づくっています。残りの1割は、オステオカルシンと呼ばれるタンパク質で、骨基質にカルシウムを沈着させて石灰化し、骨を強固にする働きを受け持っています。タンパク質が不足すると、コラーゲンでつくられた骨組みはがたつき、骨の強度も不十分なものとなります。骨質が劣化し、脆く折れやすい骨になってしまいます。タンパク質が豊富な食べ物として、肉や魚、乳製品、大豆製品などがあげられます。体内に吸収されたタンパク質は、アミノ酸レベルまで分解され、再びコラーゲンやオステオカルシンなどさまざまなタンパク質へとつくり変えられます。「骨を若返らせ、健康で丈夫な骨にするには、コラーゲンの豊富な食品を摂ればよい」このように考える人もいるかもしれません。ですが、そう簡単ではないのです。コラーゲンが体内で1度分解され、再びコラーゲンとして再利用されるのは、ほんの1部に限られます。体内でコラーゲンよりも不足しているタンパク質があれば、私たちの身体はコラーゲンを分解して、別の必要なタンパク質をつくるからです。ですから、コラーゲンにこだわるよりも、良質のタンパク質を含む食品を積極的に食べるほうが、骨の健康にとっては有効です。現在、日本人は男女とも、十分な量(1日50~60g)のタンパク質を摂れている人がほとんどです。むしろ摂りすぎの傾向にあるともいわれます。ところが、高齢者に限ってみると、「年をとれば粗食で構わない」と思い込み、タンパク質の不足から骨量が減少して、骨を脆くしている人が少なくありません。骨粗しょう症の人はもちろん、骨粗鬆症予備群と告げられた人は、良質のタンパク質を意識的に摂ることを心がけましょう。

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2017年

11月

05日

「骨のガードマン」ビタミンD

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。青魚などに多く含まれるビタミンDは、カルシウムの働きを助けるさまざまな作用を持っていることから「骨のビタミン」と呼ばれます。まず、ビタミンDには、小腸でのカルシウムの吸収を高める働きがあります。女性は45歳前後、男性は60歳前後から、小腸でのカルシウム吸収率が徐々に低下します。ビタミンDはこれを食い止め、高める作用があるのです。また、ビタミンDには、カルシウムの骨への沈着を助け、丈夫な骨にする働きもあります。さらに、体内のカルシウムのバランスを保って、骨粗しょう症を防いだり生理機能が正常に働くようにするのもビタミンDの役割です。カルシウムは、丈夫な骨をつくるほかにも、心臓や筋肉を動かしたりホルモンや体液を分泌するなど、さまざまな生理作用にかかわっています。そのため、血液中のカルシウム濃度は一定に保たれています。血液中のカルシウムが低下してくると、骨からカルシウムを取り出して不足分を補い、逆に、血液中のカルシウムが余ると骨に貯えられます。そのバランスをとっているのがビタミンDです。食事から摂るカルシウムが少ないときには、カルシウムが尿として排泄されてしまわないよう再吸収を促す働きもあります。したがって、ビタミンDが不足すると、血液中ののカルシウム濃度が低下してきたときに、骨からカルシウムが溶け出す一方となって、骨がスカスカになってしまいます。さらにもう1つ、ビタミンDには骨を守る作用があります。それは、身体をスピーディーに動かすときに働く筋肉中の速筋繊維を増やすことです。身体のキレがよくなれば、それだけ転倒のリスクが減りますし、もし転倒したとしても骨折などの大事に至らずにすみます。このように、ビタミンDはカルシウムを助けて丈夫な骨をつくり、なおかつ身体のキレをよくすることで転倒による骨折を防ぐことから「骨のガードマン」とも呼ばれます。

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2017年

11月

04日

骨に必要なのはカルシウムだけじゃない

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨粗しょう症対策には、栄養バランスのとれた食事をきちんと摂り、なおかつ、骨をつくるのに欠かせない栄養素を積極的に摂ることが大切です。骨に必要な栄養素として、子どもおやつに牛乳やチーズを積極的に与えるお母さんも多いようです。確かにカルシウムは、骨にとって非常に重要な栄養素ですが、それだけでは骨はつくれません。健康な骨をつくるカギとなる栄養素として、カルシウムと並んで、ビタミンD、タンパク質、ビタミンK、マグネシウム、亜鉛、カロテノイドがあげられます。これらに加えて、骨の質を高めてしなやかさを保つビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の3つの栄養素も、骨質を強化するうえで不可欠です。それぞれの栄養素が、骨の形成にどのような役割を果たしているのかを理解し、これらの栄養素を豊富に含む食品を、普段の食事に上手に取り入れていくことを心がけましょう。

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2017年

11月

02日

新型骨粗しょう症

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨粗しょう症は、身体的なリスクからなる人もいれば、遺伝的要因がなくても生活習慣の積み重ねからなる人もいますし、身体的なリスクに生活習慣のなかのリスクが重なってなる人もいます。ちなみに、遺伝的要因がなくても生活習慣の積み重ねからなる骨粗しょう症として見逃せないのが、糖尿病や動脈硬化、慢性腎臓病などの生活習慣病を患う中高年のとくに男性に急増中の「新型骨粗しょう症」です。骨量や骨密度に異常が見られない新しいタイプの骨粗しょう症で、骨密度検査で発見できないことから「新型骨粗しょう症」として恐れられています。骨粗しょう症の進行で骨が折れやすくなるのは骨強度が低下するからですが、その原因は、「骨密度の低下」と「骨質の劣化」の2つです。新型骨粗しょう症は、骨密度の低下は見られないものの、骨質の劣化から骨粗しょう症を招き、骨折しやすい状態に陥るのが特徴です。骨質の劣化を招く原因はいくつかありますが、その中でも重要なものの1つが、骨の体積の半分を占めるコラーゲンの状態です。コラーゲンはタンパク質の一種で、コラーゲンの分子同士が結合し、繊維状になって骨の中を無数に走っています。骨は強い外力を受けたとき、自らをほどよくしならせることでその衝撃を和らげます。この役割を担うのが骨の中を走るコラーゲンの繊維です。ところが、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病はコラーゲン線維とコラーゲン線維をつなぐ「かすがい」のようなもの(コラーゲン架橋)に糖化や酸化を起こします。すると骨からしなやかさや弾力性が失われ、骨はガラスや陶器のように硬くて脆いもの、悪玉架橋(終末糖化産物)に変質します。つまり骨質の劣化を招き、新型骨粗しょう症を発症させ、どんどん進行させてしまうのです。現在のところ、コラーゲン架橋の糖化や酸化の程度を確かめる簡単な検査法は確立されていません。また、骨質の劣化を調べる容易な検査法もありません。そのため、骨折した後に骨密度の低下が認められないことや、生活習慣病の有無などを総合的に考慮し、新型骨粗しょう症と結論づけられるケースが少なくありません。驚くのは、日本国内で新型骨粗しょう症になりやすい人が、すでに2200万人以上にのぼることです。これは、国民の約6人に1人が新型骨粗しょう症を発症させやすい状態にあるということです。

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