2018年3月ブログ

2018年

3月

30日

股関節の動きとO脚

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。下半身の悩みでよくあるO脚は、骨盤とどのような関わりがあるのでしょうか。実はO脚は骨盤にある股関節の働きと関係しています。股関節の動きは全部で6つあります。「屈曲」「進展」「外転」「内転」「外旋」「内旋」で、屈曲と進展は脚を前後に動かす動き、外転と内転は脚を外側と内側へ振る動き、そして外旋と内旋は脚を外側と内側に回す動きです。この中で特にO脚に関係があるのが、股関節の「内旋」と「外転」の動きです。この内旋・外転動作を行う筋肉が強くなり過ぎると、O脚になりやすくなります。そしてそのO脚を作り出す筋肉というのが、骨盤から脚の付け根くらいまでの大腿の外側に付いている「大腿筋膜張筋」です。また、筋肉ではありませんが、大腿の外側にある「腸脛靭帯」と言われる靭帯のかたさもO脚に関与しています。そのためO脚の改善には、これらの筋肉や靭帯の緊張を緩めてあげること、そして、「内旋」「外転」という動きに対抗する「外旋」「伸展」「内転」を行う筋肉を強化することが必要なのです。では、この「外旋」「伸展」「内転」を作り出す筋肉は何かと言うと、「短内転筋」「大内転筋」「中殿筋後部」「大殿筋下部」の4つです。細かく言えばそのほかにもありますが、メインになるのはこれらの筋肉です。ここに挙げた筋肉はすべて骨盤から始まる筋肉で、言い換えればO脚を作り出す筋肉も、それを改善する筋肉も、すべて骨盤から始まる股関節を動かす筋肉というわけです。このように、身体のあらゆる不調を予防・改善するには、おしりの筋肉などの骨盤の筋肉群や、骨盤の安定性に関与するインナーユニットなど体幹の筋肉群について理解し、それらの筋肉ができるだけ弱くならないよう普段から意識してエクササイズを行うことが必要なのです。

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2018年

3月

26日

骨盤と猫背の関係

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。普段の生活の中で、常に正しい姿勢を保ち続けるのは難しいでしょう。どうしてもそのときそのときの楽な姿勢を選んでしまうものです。たとえば、パソコンのキーボードを打っているときは、どちらかというと前屈みの姿勢で背中が丸くなりがちですし、スマートフォンなどを操作しているときは斜め下を向きっぱなしで背中が丸まった不自然な状態になります。このような姿勢は誰にでも思い当たるのではないでしょうか。そして、残念ですがこのような姿勢を続けていると、間違いなく猫背になります。そもそも猫背がなぜいけないのかというと、まず背中の上部が丸くなることで頭の位置が前方に傾き、首や首の付け根の筋肉に負担がかかって肩こりや頭痛の原因になるためです。それがさらにひどくなると、慢性的な腕のしびれにつながり、背骨全体にも影響を与え、腰痛の原因にもなっていきます。この猫背姿勢の改善にも、骨盤周りにあるおしりの筋肉のトレーニングが有効です。そもそも骨盤は身体の中心にあり、身体全体を支えています。そのため、骨盤が正しいポジションにあることは良い姿勢を保つための必須条件なのです。骨盤は家で言えば土台にあたります。この土台が屋根にあたる上半身を支えています。人の身体も同じで、土台となる骨盤がどれくらい安定しているかで上半身への負担の負担の度合いが代わってきます。特に上半身は、背骨が細かい骨に分かれているため、非常に不安定になりやすいのです。その背骨の安定に貢献しているのが骨盤周りの抗重力筋群、そして背骨自体に付いている小さな抗重力筋群です。これらの抗重力筋群は、骨盤と背骨の関節や靭帯にある機械受容器と連動して自動的にコントロールされ、背骨全体を垂直方向に安定させる働きを担っています。しかし、スマートフォンやパソコンを使用しているときの不良姿勢は、抗重力筋ではなく関節の靭帯などに依存して身体を支えているため、抗重力筋のスイッチをオフにしてしまいます。また、機械受容器の感度を低下させるため、ますます正しい姿勢を維持できなくなるのです。このような悪い姿勢になっているときは、骨盤が後ろに傾く後傾姿勢になっていることが多いものです。

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2018年

3月

25日

おしりを鍛えると尿漏れも防げる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡  風の整体院 岩田です。「インナーユニット」と言われる体幹筋群のトレーニングは、おしりの周りの筋群を鍛えて骨盤を安定させ、腰痛を防ぐためのトレーニングですが、このトレーニングは尿漏れ予防にも効果があります。インナーユニットとは、おなかにある4つの筋肉で横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群の総称です。(横隔膜は「膜」といいますが筋肉のひとつです。)この4つの筋肉は互いにつながり、ひとつのボックスをおなかの中で形成しています。インナーユニットは骨盤帯(腰椎や股関節も含む骨盤周辺の骨の集まり)の安定性に不可欠な筋肉でもあります。その中でも骨盤底筋群は尿漏れに非常に関連があり、恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋、恥骨直腸筋などの筋肉から成り立っています。これらの筋肉は骨盤の底をハンモックのよに覆って、骨盤の中にある臓器を支えており、この筋群が弱まると骨盤内の臓器が下がってしまい、それによって尿漏れが起こりやすくなります。人間の尿道は男性が20㎝で女性が5㎝と、女性のほうが短く、尿道も真下に向かっています。さらに外尿道括約筋(尿を止めたり、排出するための骨格筋)が男性よりも弱く、膀胱も下がりやすいという特徴があります。そのため尿漏れに悩む女性が多いのです。男性の場合は女性ほどではないのですが、同様に骨盤底筋群が弱くなると尿漏れが起こりやすくなります。インナーユニット内の多裂筋は骨盤の後ろで大殿筋つながっており、また、腹横筋も背中の筋膜を介して大殿筋とつながっています。そのため、おしりのトレーニングをすると、これらのインナーユニットに対しても刺激を入れることができます。また、おしりの筋肉を安定して動かすためには骨盤の安定性が不可欠で、インナーユニットとおしりの筋肉は密接につながっているのです。尿漏れがある方は、腰痛に悩んでいることが多いとも言われています。インナーユニットが弱くなれば骨盤帯が不安定になるため、腰痛が起こりやすくなるのです。

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2018年

3月

23日

身体の中心を強化して関節の故障防止

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。人間の身体は末端(足先や手先)が軽いほうが動きやすい構造につくられています。そのため、手足の先端が重くなると、運動効率が下がるだけでなく、各関節にかかる負担も大きくなるのです。ここで言う「先端が重くなる」というのは筋肉の付き方のことで、身体の中心部分の筋肉よりも身体の末端部分の筋肉のほうが発達しているということです。これは下半身でいうと、身体の中心部分にあるおしりの筋肉よりもふくらはぎの筋肉が発達している状態です。たとえば足の先端に3㎏のおもりを付けて前後にスイングする場合と、何も付けないときとでは、どちらのほうが楽にスイングできるか、またはどちらのほうが筋肉や関節に負担を与えずにスイングできるかをイメージしてみてください。もちろん何も付けず、先端が軽いほうが運動も楽で、関節への負担も少ないことがわかると思います。つまり、下半身については身体の中心部分にあるおしりの筋肉を強化し、末端部分は鍛え過ぎないほうがいいのです。また、身体の構造を見ても、末端より中心部分にボリュームが必要なことがわかります。下半身の関節の大きさを比べてみてください。足関節、膝関節、股関節と、上へ行くほど大きくなっていると思います。関節は筋肉を収める器のようなもので、一番大きな関節には一番大きな筋肉が付く構造になっています。ですから、股関節にあるおしりの筋肉をしっかりと発達させることが、理想的な身体の作り方であり、膝の関節を含めたほかの関節の負担を軽減することにつながるのです。

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2018年

3月

22日

膝関節は壊れやすい構造

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。腰痛とともに年配の方の悩みとして挙げられるのが膝の痛みです。膝の関節はなぜ痛みやすいのでしょうか。膝の関節は大腿骨、脛骨、腓骨膝蓋骨の4つで構成されています。膝関節は、屈曲・進展と言われる「曲げる」「伸ばす」という2つの動きをメインとし、膝が曲がっているときのみ回旋と言われる「ひねり」の動きが可能な関節です。膝関節は上に股関節、下に足関節があり、その真ん中に挟まれた位置にあります。これらの股関節、膝関節、足関節の動きを比べてみると、股関節と足関節はいろんな方向に動かせる可動性の高い関節で、膝関節は曲げ伸ばしがメインの可動性の低い関節です。そのため、股関節や足関節を取り囲む筋肉が弱くなったり、柔軟性がなくなったりすると、膝関節はその影響をダイレクトに受けてしまう構造になっています。股関節にあるおしりの筋肉に問題があると、立っているときに膝の関節が不自然に内側や外側を向いたり、日常生活や運動中に膝の曲げ伸ばし動作(しゃがんだり、立ったりの繰り返し動作)をする際、膝と膝が近づいたりあるいは離れたりといった不安定な動きが出てくるようになります。このような動きは膝の本来の動きではなく、膝関節は構造上それに対応することができません。そのため膝関節を構成している各靭帯や半月板に痛みや損傷が発生しやすくなり、症状が進行すると骨が変形する「変形性膝関節症」にまで発展してしまいます。膝関節は股関節だけでなく足関節とも密接につながっています。たとえばふくらはぎの筋肉がかたくなると足裏のアーチが低くなったり、高くなり過ぎたりします。そして、足関節の動きが低下することで、膝にも負担がかかるようになります。このように、膝は上下の関節の影響を受ける壊れやすい関節なのです。

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2018年

3月

19日

おしりを鍛えると腰痛の予防になる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。おしりの筋肉を鍛えることは腰痛の予防にも効果的です。まず、おしりの筋肉が発達すると姿勢が良くなります。なぜならおしりの筋肉は人間の身体の中心にある骨盤をしっかりと安定させる働きがあるからです。特におしりの筋肉は骨盤と背骨をつなぐ「仙腸関節」および骨盤と大腿骨をつなぐ「股関節」を圧迫することで安定させ、正しい姿勢を作り出してくれます。この仙腸関節や股関節を圧迫し安定させる力のことを「閉鎖力」と言います。おしりの筋肉はこの閉鎖力が強く、股関節や仙腸関節をしっかりと骨盤につなげることで、二足でたったり歩いたりすることを可能にしてくれているのです。おしりの筋肉が弱くなると、骨盤や仙腸関節、股関節の安定性が損なわれ。身体全体が不安定になってしまいます。不安定な姿勢になると、座っていても立っていても背骨に負担がかかります。背骨の中でも特に胸椎や腰椎に負担がかかり、それが腰痛へとつながっていくのです。ですから、おしりの筋肉を鍛えることで腰に負担の少ない正しい姿勢を保つことが重要で、それが腰痛を予防することにつながっていくのです。もうひとつ、おしりの筋肉は体重の負荷や地面からの衝撃をしっかりと吸収する役目があります。この吸収力が高いほど、腰椎にかかる負担を軽減することが可能です。しかしおしりの筋肉が弱くなると、この吸収力も同時に低下していくため、腰椎への負担が増加します。その負担が持続すると腰椎部分だけでコントロールできる能力の限界を超え、腰痛へとつながっていきます。おしりの筋力低下が始まっても、すぐに自覚症状は表れません。そのため、どこも悪くないと思っていたのに、ある日突然、腰の違和感や痛みが発生したように感じ、腰痛とおしりの筋肉が弱くなっていることのつながりをイメージできないのです。

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2018年

3月

18日

赤ちゃんのおしりの進化

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。人類はほかの動物よりも高度な二足立位、二足歩行を獲得したにもかかわらず、生まれてすぐには立ち上がれないようにできています。これはかの有名なドイツの生物学者であり、哲学者でもあったエルンスト・ヘッケルが唱えた「個体発生は系統発生を繰り返す」という言葉の通り、海の生物が陸の生物に進化し、さまざまな進化を経て二足歩行を獲得した人類誕生への流れと密接に関係しているのです。人間の赤ちゃんは、生まれる前はお母さんの子宮の羊水の中で生活しています。これは系統発生で言えば、海の生物と同じです。この海の生物から陸の生物への進化と同様なのが、お母さんのおなかから生まれる瞬間なのです。このときはまだ立てません。なぜなら赤ちゃんは約10ヶ月間、羊水の中で浮力のある環境にいたため、水中で身体を動かすための推進筋は発達していても、身体を垂直に立ち上がらせる抗重力筋は、まだ十分に発達していないからです。しかし、赤ちゃんは生まれた瞬間から抗重力筋のトレーニングを開始します。生まれたとき、赤ちゃんは大声で泣いていますね。赤ちゃんは羊水内で呼吸はしていませんが、これは生物の進化で言えば、水中のえら呼吸から肺呼吸に変わった瞬間です。このときから赤ちゃんは、呼吸筋であり抗重力筋のベースでもある横隔膜や腹横筋のトレーニングを始めるのです。これはヒトの遺伝子情報に組み込まれたプログラムなのです。姿勢に関しても、赤ちゃんは仰向けに寝るだけの状態から横向きになり、寝返りを打てるようになると、うつ伏せの姿勢もできるようになります。さらに、四つん這いができるようになるとハイハイを始め、座ることもできるようになり、そして膝立ちからつかまり立ちを経て、ついに立って歩くことができるようになります。このように約5億年の歳月をかけた人類の進化の過程を赤ちゃんは約1年かけて再現し、二足歩行に必要な抗重力筋を強化するのです。赤ちゃんが目指すゴールは二足立位、二足歩行。これを実現するためにはおしりの筋肉という最強の抗重力筋が不可欠です。

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2018年

3月

16日

理想のおしりの形

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。みなさん、自分のおしりの形をきちんと見たことがありますか?なんとなくしか見たことがないという方が多いのではないでしょうか。自分のおしりの形をきちんと把握できている方はかなり少ないと思います。おしりの筋肉は身体の後ろ側にあるため、しっかりと見ることができず、自分のおしりがどんな形になっているか、ほとんどの方はわかりません。しかし、おしりは自分では見えなくても、ほかの人にはしっかりと見られているものです。おしりの形は人それぞれです。しかし、誰もが「いい形のおしりだなあ」と思う共通の条件があります。それは「曲線がきれいではっきりとしていること」です。これが、見た目が美しいおしりの必須条件なのです。では、どこの曲線がきれいではっきりとしていると、理想的なおしりの形になるのでしょうか。後ろから見たときに大切なのは、ウエストからサイドトップの曲線、サイドラインの曲線、アンダーラインの曲線の3つです。これらの曲線がはっきりと出ていると丸みのあるカーブライン構成された理想のおしりになります。次に横から見た場合。ここはヒップだけでなく背中の下部(腰の部分)からヒップにかけての曲線、センタートップの曲線、そしてヒップアンダーから大腿への曲線が明確なほど、理想的な形のおしりと言うことができます。特に背中の下部の曲線とヒップアンダーから大腿にかけての曲線が明確に出ていることが肝心です。理想的なおしりの曲線に関しては男女共通で、行動心理学の分野でも、ウエストからヒップにかけての曲線が明確なほど、魅力的な身体として認識されやすいと言われています。このおしりの曲線はトレーニングによって作り出すことが可能です。おしりの筋肉は、機能的な面での働きはもちろん、見た目の影響力もあるのです。何歳になっても若々しい姿勢やボディラインを維持したいのであれば、おしりの筋肉を鍛えましょう。

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2018年

3月

13日

おしりの筋肉はつきにくく、落ちやすい

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。おしりの筋肉は抗重力筋であり「重力を感じる」ことで発達していきます。そのため、寝たきりの状態や、病気やケガによりしばらく立てない生活をしたときには、宇宙空間の宇宙飛行士たちと同じように、抗重力筋の退化が進んでいきます。また、抗重力筋は退化しやすいうえに、推進筋に比べて発達が緩やかなのが特徴です。抗重力筋はバランスや重力および体重負荷を感知する「感覚器」や「感覚神経」と密接につながっています。感覚器に重力や体重の負荷を感じさせる刺激が入らない限り、抗重力筋は発達しないため、意識的に鍛えなければ成長せず、退化しやすいのです。推進筋にはこのような影響はほとんどありません。また、抗重力筋の筋繊維は速筋繊維(発達のスピードの速い、迅速な動きを作り出すための筋繊維)よりも遅筋繊維(発達のスピードの遅い、ゆっくりとした動きを作る持久性に優れた筋繊維)のほうが多いという特徴があります。推進筋よりも速筋繊維が少ないために発達するスピードが遅いのです。このように抗重力筋は発達するのが遅く、重力や体重の負荷がないとすぐに衰えてしまうということを覚えておきましょう。

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2018年

3月

12日

帰還した宇宙飛行士が立てないのはなぜか

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。宇宙飛行士の方が無重力の宇宙から帰還した際、両脇を抱えられながら地上を歩く光景を目にしたことがあると思います。これこそが、抗重力筋が衰えてしまった状態です。宇宙飛行士の方々は、宇宙に行く前から最低1年以上かけて、かなりの筋トレを日課としています。そのように準備を行っていたとしても、特別なトレーニングをしない限り、長期間宇宙にいると立てなくなるということです。抗重力筋は重力が存在する環境でしか維持されず、また、発達することができないという性質を持った筋肉です。そのため抗重力筋は宇宙という無重力空間では速やかに退化してしまいます。実際、無重力空間から帰還した宇宙飛行士たちはすぐに、おしりを中心とした抗重力筋を回復させるエクササイズを開始するそうです。しかし、これは宇宙だけでなく、地球上でも起こる現象なのです。たしかに地球には重力がありますが、重力を使っておしりの筋肉を刺激しないと、抗重力筋は衰えてしまうのです。たとえば骨折などのケガでしばらくベッドに寝たきりになっていた場合、治ったときに立ち上がろうとしてもうまく立てないときがあります。これは宇宙空間にいたときと似たような現象が起きているからです。また、水中は浮力の影響で体重負荷が6分の1程度しかないため、水泳が好きで地上での運動をする習慣がない方も、おしりを中心とした抗重力筋が衰えやすくなります。そのほかにも長時間座ってお仕事をする方々、たとえばタクシーや長距離トラックの運転手、デスクワークが中心の方々も抗重力筋が弱くなりやすい傾向があります。そのため、こういった職業の方には、腰痛に悩む方が非常に多いのです。意外に思うかもしれませんが、自転車の選手なども抗重力筋が弱くなっている方が多いのです。「運動選手だから大丈夫」ということはなく、抗重力筋よりも推進筋をメインに使うスポーツでは、このようなことが起こるのです。このように、宇宙空間で起こっていることは特別なことではなく、私たちのいる環境や生活習慣も、抗重力筋が衰える要因になります。だからこそ、積極的におしりの筋肉、つまり抗重力筋をターゲットとしたエクササイズを行う必要があるのです。

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2018年

3月

11日

「大殿筋」と「腸腰筋」

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。人間が二足立位、二足歩行ができたことに抗重力筋が大きく関与しています。その中でも骨盤の後面にある「大殿筋」と前面にある「腸腰筋」の進化が二足立位と二足歩行を確立させるために重要な役割を担っています。大殿筋は股関節の強い伸展力(股関節が身体を垂直に伸ばす力)や外旋力(腿全体を外側に回す力)によって後面から身体を垂直に支えながら、さらに歩行中に上半身の体重を支え、地面からの衝撃を吸収し、バランスをコントロールしています。腸腰筋は3つの筋肉の複合体の総称で、「大腰筋」「小腰筋」「腸骨筋」で構成され、中心となるのは大腰筋と腸骨筋です。大腰筋は背骨の安定、骨盤の前傾、脚の前方への大きな振り出しに関わっており、腸骨筋は骨盤の固定と前傾、脚の垂直方向への引き上げに関係しています。この2つの中でも腸骨筋は股関節を曲げる強力な屈曲筋であると同時に、実は大殿筋と同じ抗重力筋です。人間の身体は前側を腸骨筋が支え、後ろ側を大殿筋が支えることで骨盤を安定させ、身体を垂直方向に保っているのです。人間はこの骨盤前後の2つの筋肉が弱くなると立てなくなります。大殿筋と腸骨筋を含む腸腰筋は、それくらい重要な筋肉なのです。これらを意識して鍛えることは、健康寿命を延ばすことに直接つながっていきます。

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2018年

3月

10日

立つための筋肉「抗重力筋」

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。ほかの生物にもある推進筋の一部が進化してできたのが抗重力筋です。この抗重力筋は文字通り重力に抗い、地面から身体を垂直方向に持ち上げる姿勢を可能にします。さらに、関節をひとつずつ分離して動かせることから細かな動きも可能にした筋肉です。人間は抗重力筋が進化しており、特におしりの筋肉や身体の前側にある腸腰筋の一部、「腸骨筋」が格段に進化したことで、二本足で立って歩くことが可能となりました。そのぶん、推進筋の力は減少し、四足動物のようにスピーディーに動くことはできなくなりました。人間は、二足立位と二足歩行を確立させたことで両手が自由になり、さまざまな作業に両手が活用されたことで脳の発達が促進され、現在のような文化のある生活を営むことができるのです。これは推進筋のような推進力しか生み出せない筋肉の一部が、身体を垂直方向に持ち上げ維持する抗重力筋へと進化し発達したことがそもそもの始まりとされています。抗重力筋の特徴は次の通りです。

●関節を固定する力がある…この筋肉は、長さは短いのですが、付着面が広いことから特定の関節を一定のポジションに固定する力があります。そうすると関節が安定するため、結果的に関節を守ることにつながるのです。

●身体を垂直に支えてくれる…抗重力筋は、身体を垂直方向に固定、安定させることに優れています。特に人間の場合はほかのどんな生物よりも抗重力筋が発達しているため「二足立位」「二足歩行」を基本的な能力として実現させることができたのです。

●関節をひとつずつコントロールできる…推進筋と違い、細かく関節をコントロールできるため、手の指や足の指の複雑な動きを生み出すことができます。特に手の指に関しては巧緻性という性質により、手のひらの中にあるたくさんの関節をひとつずつ起用にコントロールすることで、細かい手先の動きを可能にし、環境に応じて指先を自由に使い、道具を扱うことを可能としました。

●バランスを自動的にコントロールしている…抗重力筋は推進筋と違い、ある姿勢を長時間保持し、身体のバランスをコントロールすることに優れています。たとえば片脚立ちの姿勢を長時間安定して保つためには、おしりの筋肉をはじめとする下半身の抗重力筋の力が欠かせません。なぜ抗重力筋は不安定な姿勢でもバランスをコントロールできるのか。それは抗重力筋と密接につながっている「機械受容器」という感覚センサーのおかげなのです。この機械受容器は抗重力筋や関節内にあり、さまざまな情報(筋肉の張力や関節内の圧力、位置情報)を脳や脊髄などの中枢部に素早く伝達します。中枢部はこの情報をもとに、運動神経を介して抗重力筋の働きを自動的にコントロールしているのです。このように抗重力筋は、二足歩行をする人間にとって重要な役割を担っています。

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2018年

3月

09日

動くための筋肉「推進筋」

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。推進筋は魚類や両生類、爬虫類も含めたすべての動物の身体に存在する筋肉で、その名の通り身体を移動させるための推進力を生み出す筋肉です。この筋肉があるから早歩きやランニングも可能になるのです。推進筋の特徴は次の通りです。

●ダイナミックな動きやスピーディーな動きをつくる

推進筋は、身体をダイナミックに、そしてスピーディーに動かすときになくてはならない筋肉で、移動する、速く動くという推進性の力を生み出します。そのため、人間より速く泳げるマグロや人間より速く走れるチーターは推進筋がより発達しています。

●関節を固定する力はない

推進筋は、ふたつ以上の関節をつなぐように付着しており、筋自体は長いのですが、筋腹とよばれる膨らんだ部分の横幅が狭く、関節にくっついている筋肉の末端部分も細くて弱いのが特徴です。そのため関節を固定する力はあまりないのです。

●身体を支える力はない

推進筋は、身体を地面から持ち上げて保持する抗重力的な力は発揮できません。たとえば、ふくらはぎの腓腹筋は歩く際のスピードを調節する筋肉ですが、身体を垂直方向に支えるはたらきはありません。したがって、推進筋がいかに発達していても、チーターは人間のように二足で立つことはできません。推進筋は推進力を生み出すことはできても、重力に反発して身体を垂直方向に立ちあがらせる力がないのです。

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2018年

3月

06日

おしりの3つの役割 その②

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。おしりの3つの役割その②です。

その②関節を守る…日常動作では、身体の中心部分に一番負荷がかかることが多く、その負荷を吸収してくれているのがおしりの筋群なのです。それはつまり、おしりの中心部にある最大の関節であり、最も負荷のかかる股関節を守ってくれている、ということです。おしりの筋群は、大殿筋、中殿筋、小殿筋で構成されており、股関節を内側から外側に向かって小殿筋、中殿筋、大殿筋の三層構造で取り囲んでいます。この3つの筋肉がしかりと股関節を取り囲むことで、上半身の重さや地面からの衝撃を吸収することができるのです。ただし、おしりの筋肉は股関節だけを守っているわけではありません。股関節の外旋力(腿の骨を外側に回す動き)によって、歩行中に足が着地するときやしゃがむときなどに膝の関節を常に正しいポジションに保持することで、膝関節も守っています。膝の関節は基本的に、曲げたり伸ばしたりする動きしかできません。しかし、歩行しているときや、階段の上り下りなどの体重や重力の負荷が大きくかかる場面では、その負荷によって膝を内側にひねろうとする「内旋力」という外からの力がかかります。この内旋の動きが大きくなると膝関節の障害が起きます。この内旋の動きを外旋力でコントロールしているのが大殿筋、中殿筋後部、小殿筋後部のおしりの筋肉です。おしりの筋肉が強くなると外旋力が強くなり、歩行や階段の上り下り、ジャンプの着地などの際に膝の関節を守ることにつながっていくのです。さらに、骨盤の上につながっている背骨の関節への衝撃も、おしりの筋肉が吸収することで負担を軽減してくれています。つまり、おしりの筋肉が弱くなると股関節に負担がかかるだけでなく、膝関節や背骨の関節にも負担がかかってしまうということです。このように、おしりの筋肉は身体を支えるだけでなく、主要な関節をしっかりと安定させ、守ってくれているのです。

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2018年

3月

05日

おしりの3つ役割 その①

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。おしりの筋肉には大きく3つの役割があります。

その① 身体を支える…おしりの筋肉は骨盤の後ろ側に位置しており、股関節の強力な伸展運動(上半身が前に倒れないように身体全体を真っ直ぐに維持する働き)をサポートします。おしりの筋肉が弱くなると股関節の伸展する力が低下し、上体が前方に倒れ、前かがみの姿勢になります。そうなると二足歩行はおろか、二足立位にまで影響を与えることになります。ちなみに静止姿勢で立っているだけでも股関節にかかる上半身の重さは体重の70%ほどだといわれています。体重50㎏の方は、立っているだけで常に35㎏ほどの重さの上半身を股関節が支え続けなければならず、それも垂直に保ち続けなければならないのです。また、歩くときは立っているときより身体が不安定になるため、股関節には体重の約3倍の負荷がかかるといわれています。これがどれだけ大変なことかは想像できると思います。おしりの筋肉は、私たちが立って歩くときにこのようなことを意識しなくても、しっかりと身体を支え続けてくれているのです。

 

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2018年

3月

03日

「おしり」股関節を守る最大・最強の筋肉

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。人間の身体の中で1番大きな関節は、骨盤にある股関節です。人間が歩く時、片脚の股関節にかかる力は最大で体重の3倍以上になります。たとえば体重50㎏の方が歩くと、一歩ごとに最大150㎏以上の負荷が股関節にかかるというわけです。150㎏といったら力士の体重くらいです。一歩踏み出すたびにこれほどの負荷が股関節にかかるわけです。このとき股関節を安定させ、衝撃を吸収し、守ってくれるのが、実は「おしり」の筋肉なのです。おしりの筋肉は主に大殿筋・中殿筋・小殿筋の3つで構成され、なかでも大殿筋は人間の筋肉の中で最も大きく、そして最強の筋肉です。大殿筋は股関節を取り囲むように付着しており、大殿筋が発達すればするほど、股関節への負担が減り、歩いたり、走ったり、飛び跳ねたりすることが楽にできるようになるのです。そのほかの中殿筋や小殿筋も大殿筋ほどの力は発揮できないものの、歩く際に股関節を安定させたり、バランスをコントロールしたり、片脚で立つなどの複雑な動きをする際に身体を安定させたりと、人間の動作に大きく貢献しています。みなさんが思う以上に、私たちは気づかないうちに毎日おしりに頼っているのです。みなさは脚の筋肉を鍛えることが大事だということはご存知だと思います。たしかに脚の筋肉も大事ですが、全身の各関節を観察すると、足首や膝の関節に比べて股関節のほうがはるかに大きいことは一目瞭然です。関節が大きいと、それだけ大きな力を発揮したり、大きな動きを行ったりすることができます。その股関節に密接に関わっているのがおしりの筋肉なのです。しかし、残念なことに、このおしりの筋肉群は大変弱くなりやすい性質を持っています。普段の姿勢や運動習慣、生活環境にとても影響を受けやすい筋肉なのです。みなさんも若い頃に比べて背中が丸くなってきた、ずっと立っていられない、階段の昇降がつらいなど自覚することがあるのではないでしょうか。これらは、おしりの退化スイッチがオンになっているというサインなのです。

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2018年

3月

02日

人疲れ

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「人疲れ」は、気のおけない相手と楽しい時間を過ごしても起こります。緊張感を強いられる相手なら、なおさらです。また、「初対面の人とでもすぐに明るく会話ができる」「接待などの人の集まりで相手を楽しませることができる」といった人ほど、人疲れを起こしている可能性があります。逆に、「KY(空気が読めない)」などと言われ、周りを気にせずに行動している人のほうが疲れにくいのです。コミュニケーションがうまい人ほど、疲れの原因が人疲れだとは気づけないかもしれません。「理由がわからない。でも、慢性的に疲れている」という人は、人疲れを疑ってみるといいように思います。理想的な対策は「物理的距離をとるなどの方法で、自分を疲れさせる相手とのコミュニケーション機会を減らすこと」です。ちなみに、女性の人間関係の悩みの中で今もっとも多いのが、「距離感が変」な相手とのコミュニケーションです。「境界性人格障害」の傾向があり、一度友達として認識すると「私とあなたはすべて同じだ」と徹底的に近づいてくる相手です。知能指数の高い人も多いだけに厄介です。相手と一気に距離をとると、嫉妬され、過激な行動をとられる危険性があるので、徐々に徐々に遠ざかっていく慎重さが求められます。人疲れを減らす現実的な方法としては、コミュニケーションの際に「頑張らない」ことです。相手の言動に強く反応しようとすると脳が疲れてしまいます。多くの場合、人は「正しい意見やアドバイスをもらいたい」のではなく「ただ聞いてもらいたい」と思っています。うなずき上手になるのは非常に有効な方法です。

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