かけばかくほどかゆくなる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。単にかゆいところをかいて快感を覚えるだけならよいのですが、この快感を一度おぼえる(脳が記憶する)と、私たちはかくことをやめられなくなります。たとえ、かきすぎて皮膚が破れてしまうようになってもかいてしまいます。ギャンブルや、酒・タバコといった嗜好品の依存に似た状態です。アトピー性皮膚炎の患者さんでは、この傾向が強いことが知られています。だから、周囲から「かいてはダメ」といわれても我慢できないのです。こういう病的な悪循環は「イッチ・スクラッチ・サイクル」と呼ばれています。イッチは「かゆみ」、スクラッチは「かく」という意味です。さまざまな原因でかゆみが起こり、そこを強くかきます。すると、皮膚が傷つきます。すると、皮膚の中のサイトカインという物質が放出されます。この物質は皮膚の中にあるマスト細胞(肥満細胞)を刺激して、ヒスタミンというホルモンを放出します。このヒスタミンは非常に強いかゆみを誘発します。また、傷ついた皮膚には炎症が起こり、それもかゆみを引き起こします。そのために、また強くかいてしまい、この悪循環が止まらなくなってしまうわけです。こういったイッチ・スクラッチ・サイクルのことを知ることは、とても重要だと思います。なぜなら、自分が、かき続けている時に、これが病的な悪循環だと思えば、自制心が働き、かくのを我慢することができるかもしれないからです。