骨のしなやかさをつくるタンパク質

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨はコラーゲンを主体とするタンパク質の骨基質に、カルシウムを主体とするミネラルの骨塩が塗り固められるようにしてつくられています。骨のコラーゲンは、みずみずしい肌を保つのに欠かせないコラーゲンと同じものです。骨の体積の50%、重量の25%がコラーゲンです。コラーゲンは骨をつくっているタンパク質の9割を占め、骨組み(骨基質)として骨を形づくっています。残りの1割は、オステオカルシンと呼ばれるタンパク質で、骨基質にカルシウムを沈着させて石灰化し、骨を強固にする働きを受け持っています。タンパク質が不足すると、コラーゲンでつくられた骨組みはがたつき、骨の強度も不十分なものとなります。骨質が劣化し、脆く折れやすい骨になってしまいます。タンパク質が豊富な食べ物として、肉や魚、乳製品、大豆製品などがあげられます。体内に吸収されたタンパク質は、アミノ酸レベルまで分解され、再びコラーゲンやオステオカルシンなどさまざまなタンパク質へとつくり変えられます。「骨を若返らせ、健康で丈夫な骨にするには、コラーゲンの豊富な食品を摂ればよい」このように考える人もいるかもしれません。ですが、そう簡単ではないのです。コラーゲンが体内で1度分解され、再びコラーゲンとして再利用されるのは、ほんの1部に限られます。体内でコラーゲンよりも不足しているタンパク質があれば、私たちの身体はコラーゲンを分解して、別の必要なタンパク質をつくるからです。ですから、コラーゲンにこだわるよりも、良質のタンパク質を含む食品を積極的に食べるほうが、骨の健康にとっては有効です。現在、日本人は男女とも、十分な量(1日50~60g)のタンパク質を摂れている人がほとんどです。むしろ摂りすぎの傾向にあるともいわれます。ところが、高齢者に限ってみると、「年をとれば粗食で構わない」と思い込み、タンパク質の不足から骨量が減少して、骨を脆くしている人が少なくありません。骨粗しょう症の人はもちろん、骨粗鬆症予備群と告げられた人は、良質のタンパク質を意識的に摂ることを心がけましょう。