新型骨粗しょう症

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨粗しょう症は、身体的なリスクからなる人もいれば、遺伝的要因がなくても生活習慣の積み重ねからなる人もいますし、身体的なリスクに生活習慣のなかのリスクが重なってなる人もいます。ちなみに、遺伝的要因がなくても生活習慣の積み重ねからなる骨粗しょう症として見逃せないのが、糖尿病や動脈硬化、慢性腎臓病などの生活習慣病を患う中高年のとくに男性に急増中の「新型骨粗しょう症」です。骨量や骨密度に異常が見られない新しいタイプの骨粗しょう症で、骨密度検査で発見できないことから「新型骨粗しょう症」として恐れられています。骨粗しょう症の進行で骨が折れやすくなるのは骨強度が低下するからですが、その原因は、「骨密度の低下」と「骨質の劣化」の2つです。新型骨粗しょう症は、骨密度の低下は見られないものの、骨質の劣化から骨粗しょう症を招き、骨折しやすい状態に陥るのが特徴です。骨質の劣化を招く原因はいくつかありますが、その中でも重要なものの1つが、骨の体積の半分を占めるコラーゲンの状態です。コラーゲンはタンパク質の一種で、コラーゲンの分子同士が結合し、繊維状になって骨の中を無数に走っています。骨は強い外力を受けたとき、自らをほどよくしならせることでその衝撃を和らげます。この役割を担うのが骨の中を走るコラーゲンの繊維です。ところが、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病はコラーゲン線維とコラーゲン線維をつなぐ「かすがい」のようなもの(コラーゲン架橋)に糖化や酸化を起こします。すると骨からしなやかさや弾力性が失われ、骨はガラスや陶器のように硬くて脆いもの、悪玉架橋(終末糖化産物)に変質します。つまり骨質の劣化を招き、新型骨粗しょう症を発症させ、どんどん進行させてしまうのです。現在のところ、コラーゲン架橋の糖化や酸化の程度を確かめる簡単な検査法は確立されていません。また、骨質の劣化を調べる容易な検査法もありません。そのため、骨折した後に骨密度の低下が認められないことや、生活習慣病の有無などを総合的に考慮し、新型骨粗しょう症と結論づけられるケースが少なくありません。驚くのは、日本国内で新型骨粗しょう症になりやすい人が、すでに2200万人以上にのぼることです。これは、国民の約6人に1人が新型骨粗しょう症を発症させやすい状態にあるということです。