「噛める」ことは健康の基本

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。平成元年に、当時の厚生省と日本歯科医師会が中心になって「8020運動」がスタートしました。「80歳になっても、自分の歯を20本以上保とう!」と、広く呼びかけていますから、聞いたことがある人もいるでしょう。歯が上下合わせて20本以上あれば、大体の食品を容易に噛めて、食生活に満足できます。そして、この「噛める」ということは、生命維持の最も基本的な条件の1つということがわかっています。というのも、ある調査で、65歳以上の地域住民を9年間追跡したところ、何でも食べられると感じている人は、そうでない人より死亡率が1.63倍低かったそうです。回答者たちの他の病気や社会活動などとは関係なく、この数字が出ています。噛めること、その中でも特に、奥歯の嚙み合わせは、咀嚼するのに最も重要なことの1つです。嚙み合わせがしっかりしていることは、口にする食材の多様性につながります。それだけ、食事を楽しめるということになるのです。また、残念ながら自分の歯を失ってしまって、もう20本も残っていないという人も、長生きは無理か…などと悲観することはありません。咀嚼できることが大切なのですから、義歯を使って自分の歯のようにちゃんと噛めれば問題はありません。それは、65歳以上の女性を8年間追跡した別の調査の結果が証明してくれています。この調査によれば、嚙み合わせがなく、義歯も使っていない人の死亡率は、義歯を使っている人の1.52倍も高くなってしまうことがわかりました。ちなみに、奥歯で噛める人は、まったく嚙み合わせがない人に比べて、死亡率が0.78倍と低かったそうです。できれば、できるだけ長く自分の歯で、それが難しくなっても、ピッタリ合った義歯で自分の歯のように噛めることが、健康寿命を延ばすためにも必須といえるでしょう。