なぜ風邪は「引く」というのか

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。病気は「病気になる」「病気にかかる」といった言い方をします。ところが風邪は「風邪になる」「風邪にかかる」とは言わず、「風邪を引く」と表現します。温度や気圧などの関係で起こる空気の流れを「風」といい、ウイルスによって呼吸器がおかされる病気も、「風邪」といいます。病気の「風邪」は空気の流れの「風」からきており、古くは「風」と書いていました。昔の人々は、外気のなかに、体にとってよくないもの、邪悪なものが潜んでいると考えていたようです。風が吹き、邪悪なものを運んでくる。それを吸い込む、すなわち体に引き込む。そこで「風邪を引く」というようになったのです。病気の「かぜ」は現在は「風邪」という漢字が当てられています。その「風邪」は、体に影響を与える悪い風、邪悪な風という意味で、江戸時代までには「ふうじゃ」と音読みされることが多かったようです。