コレステロールは「悪者」ではない

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「コレステロール」と聞くと、なんだか体に悪い存在だと思われるかもしれません。実際、コレステロールは長い間、動脈硬化を招く要因の悪者だといわれてきました。ところが、最近、この見方が大きく変わってきました。アメリカではコレステロールの摂取量と血液中のコレステロール値との間に明らかな関連を示す臨床結果がないことから、これまでのようなコレステロールの制限をなくすようガイドラインが変更されています。もし、食事でコレステロールを気にしているのであれば、それほど心配する必要はありません。なぜ、コレステロールに対する見解が、これほど変わったのでしょうか。そもそもコレステロールは脳の神経細胞が働くために欠かせない栄養素です。脳の神経細胞を覆う細胞膜は、そのほとんどがコレステロールでできています。脳の神経細胞は大量のコレステロールを必要としていますが、神経細胞はコレステロールをつくり出すことができません。食事で摂取したり、肝臓で合成されたりしたコレステロールは、血流に乗って脳の神経細胞に運ばれます。そして、脳の神経細胞や全身の細胞にコレステロールを運んでいるのが、LDLコレステロールと呼ばれている、コレステロールやタンパク質が結合した運搬体タンパク質です。これまで動脈硬化の要因といわれ、悪者扱いされてきたこのLDLですが、重要な役割を担っていて、悪いことはまったくしていません。それどころか、最新の研究では、コレステロールの数値が低いと脳が活発に働かなくなり、認知症などのリスクが高まるとさえ指摘されています。では、コレステロールが原因でないとすると、動脈硬化はどうして進行してしまうのでしょうか。なぜ、脳卒中や心筋梗塞が増えたのでしょうか。最新の研究によって、脳卒中や心筋梗塞などによる死亡率には、コレステロールの数値ではなく、「海の油(EPA・DHA)」の摂取量が減って、「陸の油(豚肉や鶏肉の脂肪、コーン油、サラダ油、ベニバナ油、ナタネ油など)」を過剰に摂っていることが関係しているらしいということがわかってきました。