ゆっくり噛んで食欲ホルモンを調整

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。レプチンとグレリン。いずれも食欲系のホルモンです。「レプチン」は脂肪細胞からつくり出される食欲抑制のホルモンです。肥満遺伝子を研究する過程で発見されました。一方、「グレリン」は胃から分泌される食欲増進ホルモンです。というと、レプチンが増え、グレリンが減ったほうがいいと思われがちですが、そう単純ではありません。お年寄りがやたらと肉食に走ったり、暴飲暴食する背景には、レプチンが下がりっぱなしで、満腹中枢と空腹中枢が機能していない状態が想定されます。グレリンには成長ホルモンを促す働きもあり、2つのホルモンがバランスよく働くことが大切なのです。そのためには、ゆっくり食べることです。レプチンの分泌速度は遅いので、早食いすると過食を抑制するレプチンの分泌が追いつかず、つい食べすぎてしまいます。血糖値も急速に上昇し、血糖値を下げるホルモン・インスリンが無駄遣いされることになります。ゆっくり食べるコツは、30回噛んで食べることです。すると、食事の時間が30分くらいになり、自然に食事の量が腹八分目になります。血糖値の上昇も緩やかになるので、インスリンが過剰に分泌されることはなく、全身の毛細血管への負担もなくなります。「噛む」という運動自体が脳に刺激を与え、ハッピーホルモンの「セロトニン」を増やして気持ちを安定させ、ストレスを解消する効果があります。夜は食欲増進のグレリンが分泌されやすく、体自体が蓄える方向にシフトするので、夕食は特によく噛んでゆっくり時間をかけて食べましょう。夕食を抜いてグレリンが出ているのに空腹のまま寝ると、ストレスホルモンのコルチゾールが出て、結局、深夜にドカ食いするという、負の循環に陥りやすいのでご注意ください。