自然に接すると幸福になる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。都心で仕事をしていると、多くの時間を「コンクリート・ジャングル」の中で過ごすことになります。大都市では自然豊かな空間というのは非常に限られ、人工的な建造物に囲まれて生活するのが当たり前です。こうした環境は、現代社会では特に珍しいことではありませんが、地球規模で考えてみれば極めて不自然な状態であるといえます。それを象徴するのが、この調査です。自然と幸福度との関連性を調べた30もの研究をまとめて解析し、合計8500人について調査した研究では、自然に接している人ほどバイタリティがあって、人生の満足度も高い傾向が認められました。なかでも直接自然のなかに自らの身を置くことが、幸福度を高める効果がもっとも強いこともわかりました。人間も生物であり、自然の一部ですから、本能的に自然とつながろうとする欲求があるのでしょう。自然に囲まれた環境において、人は開放的になるだけでなく、本能的欲求が満たされ、それが幸福度の上昇につながっているということが調査結果から示唆されています。また、こうした効果は健康に問題がある人ほど高まるという調査報告もあり、自然の持つ「癒し効果」が裏付けされたかたちとなっています。自然に囲まれて過ごすひとときはたんなる「余暇」ではなく、人生を幸福に過ごすために欠かせない大切な時間なのだと認識して、さっそく次の休みにでも、自然のなかに出かけてみてはどうでしょうか。「そうはいっても忙しくて出かけられない」「疲れているから動きたくない」…。日頃仕事で疲れ果てている方からは、そんな声も聞こえてきそうですね。それならせめて、身の回りに自然を感じるものを置いてみるというのはいかがでしょうか。そうすれば時間もお金も体力も使わずに、手軽に自然に触れることができます。事実、部屋や仕事場の一角に花や観葉植物を飾るだけで、人間は幸福度を上げることができるという報告もあるほどです。部屋に花を飾っただけで幸せになるなどというと「たんなる思い込みにすぎないのではないか」などと反論されそうですが、千葉大学環境健康フィールド化学センターの調査では、花や観葉植物を日常生活に取り入れることによって、公園や森で自然体験をするのと同じようなリラックス効果が得られることが確かめられています。人は緊張したりストレスを感じると交感神経が高まってイライラが募りますが、部屋の中で花や観葉植物を飾っているだけで、香りや視覚効果により脳前頭前野の活動が沈静化されて副交感神経の活動が高まり、心身ともにリラックスすることができるというのです。