座っている時間が長いと死亡リスクが高くなる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。ある調査によると、40歳から64歳までの日本人は、1日のうち8~9時間程度座って過ごしているのだそうです。1日8~9時間という日本人の座位時間は世界20ヵ国で比較してみると、もっとも長い時間だそうです。しかも最近の研究では、長時間座って過ごすことは、さまざまな疾患を引き起こすリスクがあるということがわかってきています。そのリスクとは、一説には喫煙にも匹敵するほどの高いものだといわれています。オーストラリアのシドニー大学で、国内の45歳以上の男女22万人を3年近くにわたって追跡した調査が行われました。そこで、調査期間中に亡くなった人たちの生活スタイルを調べたところ、座る時間が大きく影響していることが明らかになりました。具体的には、座っている時間が1日4時間未満の人たちと比べ、11時間以上だった人たちは死亡するリスクが40%も高まっていたのです。また、アメリカで行われた、成人12万3216人を対象にした調査では、1日6時間を座って過ごす人は、座る時間が3時間未満の人に比べて死亡リスクが男性で17%、女性で37%高いという結果が出ています。さらに、長時間を座って過ごし、かつ運動をしない人の場合は、男性で48%、女性では94%という高い死亡リスクが示されています。その他にも、じっとしている時間が長いほど、糖尿病、心血管疾患やガンの罹患リスクが高まるという報告もあります。長時間座っていることがなぜ健康に悪影響を及ぼすのか、はっきりとしたメカニズムはまだ解明されていません。まず考えられるのは、体を動かさないことによる体重増加や肥満です。運動不足からメタボリック症候群になり、それが3大成人病を引き起こす、という負の連鎖が寿命を短くしているのかもしれません。もちろんそれは因子のひとつになるかもしれませんが、実はそう単純ではないようです。肥満だけが要因ならば、定期的に運動をすればいいのでしょうが、週にある程度の運動をしている人にも、長時間の座位による死亡リスクは、やはり高い傾向が見られるからです。ある研究者は「本来歩き回る生活をしていた人間が、足などの筋肉を動かさないことでさまざまなホルモンの分泌が変化し、それが悪影響となっている」と説明しています。