鉄分の摂り過ぎはガンになる?

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。鉄分は、摂取することで「骨が丈夫になる」「貧血を予防する」などといわれ、健康に必要な栄養素として認知されています。サプリメントにもなっており、主に女性に人気です。しかし、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とはよくいったもので、鉄分を摂り過ぎると、ガンになるリスクが高まるという研究があります。米国の複数の研究機関は、体内の過剰な鉄とガンの発生との関係を共同で調査しました。その手法は、調査対象者の約半数にあたる636名に対し、定期的に採血を行って体内の鉄の量を適度に減らすというものです。残りの641名には、採血を行わず経過を観察しました。ちなみになぜ採血で鉄分をコントロールしたのかと言えば、体内の鉄分の約70%は、赤血球の核として体中に酸素を運ぶ働きをしており、血液にたくさん含まれているからです。平均4.5年にも及ぶ調査により明らかになったのは、採血で鉄分を調整したグループは、肺ガンや大腸ガンといった内蔵ガンの発生率が35%も低下するということでした。ガンによる死亡率も、5分の2の数値となりました。このような結果が出た理由は、採血により過剰な鉄分が除去されたことで活性酸素が減り、それによる臓器障害が抑えられたためと考えられています。なお、この研究は末梢血管の狭窄などを有する末梢血管疾患患者のうち、病状の安定している人を対象として行われたため、厳密には健常者を対象とする追試が必要ですが、少なくとも鉄分過剰とガンとの間には深い関連性があることは間違いないでしょう。その他、血管が劣化して切れやすくなる、肝硬変や糖尿病のリスクが高まる、といった報告もありますから、相応の注意が必要であるといえます。健康のために毎日サプリメントを飲んでいたのに、それが実はガンなどの大病を患うリスクを上げている行為であったとしたら、そのショックは大きいと思います。医薬部外品のサプリメントであっても、鉄分に関してはやはり自分の体の状態に合わせて摂取量を調整すべきです。