バーチャルよりリアル

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。コミュニケーションと言えば、最近はメールやSNSがすっかり定着しました。仕事上はもちろん、プライベートな会話まで、こういうバーチャルなコミュニケーションが当たり前に行われているようです。気軽にやりとりできるという意味では、たしかにたいへん便利です。特にSNSを使って意見を発信したり、自己アピールしたりしたいという気持ちもあるでしょう。そういう前向きな気持ちを持つことも大事です。しかし脳の健康を保つという意味では、やはりバーチャルではなくリアルなコミュニケーションのほうが重要です。なぜなら、そこにはやはり共感性が生まれやすいからです。面と向かって話をすると、できるだけ相手の気持ちを理解しようと一生懸命になります。言葉だけではなく、口調や表情、しぐさ、目つきなどの情報から感情を読み取ろうとするはずです。それが、脳の働きを活性化させるのです。ところが、バーチャルな世界で文字をやりとりするだけでは、そうはいきません。例えばメールの文面を見て、送り手の感情まで読み取るのは難しいと思います。実は怒っていたのに軽く返信してしまったり、意図せずに書いたことが相手を傷つけてしまったりという経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。物理的・精神的に距離がある分、相手への意識も希薄化するわけです。まして、それが日常のコミュニケーションの主流になってしまうと、共感性を磨く機会が失われます。いくらバーチャルな世界でやりとりしても、それによってコミュニケーションをとっているつもりになってはいけません。実際に人と会って話す機会も、十分に用意する必要があると思います。ただ最近、そういう機会は減りつつあるかもしれません。複数の人が集まる職場でさえ、一日中誰とも口をきかないまま過ごすことがあるようです。一人で仕事に集中したいときもあるでしょうが、そればかりでは息が詰まります。せっかく同僚が近くにいるのですから、雑談するような時間をもっと積極的につくったほうがいいと思います。あるいは職場がそれを許さないような雰囲気なら、なおさら日常のコミュニケーションが欠かせません。職場外で、そういう場を見つけるよう工夫したほうがいいでしょう。