加齢と姿勢

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨の基本的な構造は、繊維状のタンパク質(コラーゲン)にカルシウムなどのミネラルが結晶したものです。骨に含まれるコラーゲンや、カルシウムなどのミネラルの総量を骨量といいます。骨量が減って骨がスカスカになり、骨折しやすくなった状態が骨粗しょう症です。女性は45~55歳で閉経を迎えて女性ホルモンが減ると骨量が減り、骨粗しょう症にかかりやすくなります。男性でも、60歳以降になると骨量が減り始めます。骨粗しょう症で脊柱がおしつぶされるような圧迫骨折を起こしたり、背骨の間にある椎間板が変形したりすると、背中が丸まった円背という姿勢に陥りやすくなります。杖をついて歩いている高齢者の多くに、この円背が見受けられます。姿勢を支えている筋肉も、運動不足だと30歳をピークとして年0.5~1.0%の割合で右肩下がりに減り続けます。「老化は足腰から」といわれるように、とくに減りやすいのは下肢の筋肉です。太ももやふくらはぎといった下肢の筋肉は体重を支えるため、上肢の筋肉と比べると大きくて丈夫に作られています。大きくて丈夫であるがゆえに、下肢の筋肉は衰えやすくなります。大きくて丈夫であるほど、大きな力で刺激を与えないと弱くなるからです。下肢の筋肉が衰えると体重を支えるのが難しくなり、バランスも取りにくいので、股関節や膝関節を曲げて重心を下げようとします。これも高齢者特有の姿勢です。太ももの筋肉が弱くなると、膝関節に加わる衝撃が大きくなり、軟骨がすり減って膝が痛む変形性膝関節症の誘因となります。いつばでも丈夫な骨と筋肉で正しい姿勢を保つには、タンパク質やカルシウムといった栄養が不足しないように気をつけるべきです。加えて適度な運動の刺激で筋肉が衰えないように保ちましょう。運動の刺激は骨を強くする効果もあって一石二鳥です。