「やせ過ぎ女子」が産む低体重児は「メタボ予備群」

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。「自分は太っている」という思い込みにも危険が伴います。日本は今、「肥満・メタボ」と「やせ」という相反する二つの問題を抱え込んでいます。とりわけ20代、30代の女性を中心にBMIが18.5を下回り、体脂肪も極端に少ない「やせ過ぎ」が増えているのです。もともとやせているにもかかわらず、「細いほうがカッコイイ」「絶対に太りたくない。もっとやせたい」という理由から体重や体脂肪を落とそうとする人も少なくありません。太るのもいけませんが、やせ過ぎは、肌荒れや抜け毛に始まり、感染症にかかりやすくなる、胃腸の機能が乱れるなど、さまざまな健康障害があらわれます。体脂肪が減りすぎるとホルモンバランスがくずれるため、生理不順や無月経などの問題も起こります。女性の場合、やせ過ぎは本人だけの問題にとどまりません。最近は妊婦さんが太ることを気にして「やせ過ぎ」になるケースが見られますが、妊婦さんにとって下半身についた皮下脂肪はつわりがひどいときのエネルギー補給源になったり、赤ちゃんを守るクッションとしての役割があるので、体脂肪率20~30%は必要です。減らし過ぎると子宮内の環境が悪化し、体力も維持できなくなってしまいます。しかも、十分な栄養が与えられなかった赤ちゃんは「出産時低体重児」になりやすく、将来メタボになったり生活習慣病に見舞われるリスクが高まるのです。国立循環器病研究センターの研究チームは「出生時の体重が軽かった人は生活習慣病になりやすい傾向がある」ことを明らかにしました。胎児の頃に栄養が十分いき渡らないと、その反動で体が栄養を抱え込む可能性があるというのです。低体重児=「メタボ予備群」ともいえ、女性のやせ過ぎが解消されないと、日本は将来「生活習慣病大国」になると警告する専門家もいるほどです。