ストレスは「他のストレス」で制す

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。これまでに何度か、不安、焦り、ストレス、緊張は良くないとお話ししてきましたので、皆さんはこれらを悪者と思われていることでしょう。一方で、「ストレスがない生活などありえない」ともお話ししてきました。どちらも正しいのですが、ストレスについて、ここで整理しておきましょう。まず、人は誰でも、生きていれば必ずストレスを感じます。感じない人などいません。ストレスをゼロにする方法を指南する人や本がありますが、神経質になってもっとストレスをためるのがオチです。もちろん、無用なストレスをあえて抱える必要はありません。できるだけ工夫をして事前につぶすことは必要です。その前提の上で、それでも降りかかってくるストレスをどうするか。よく考えてみると、私たちがストレスで悩むとき、何か「一つの出来事」が原因になっている場合がほとんどではないでしょうか。心にどっかり居座る「あれ」が、一日中気分を重たくさせる。一つのことにとらわれているからこそ、必要以上にクローズアップされ、もっとストレスとして感じられてしまうのです。と、すれば、その「一つ」はいったん横に置いて、他の「ストレスになること」を考えてみましょう。そこに別の小さなストレスの「もと」があれば、今度はそれを考えてみましょう。こうして10個も「もと」があれば、最初の「あれ」にばかり悩んでいられなくなります。これは、「あれ」に近視眼的にとらわれているよりも、よほど客観的な視点を得た状態といえます。このほうが冷静に解決策を考えられますから、意外なところから有効な策が出てくる可能性は高いでしょう。ストレスに悩まされていると、「これがなくなったらどんなにいいか」と思いますよね。しかし、適度なストレスは私たちに不可欠なのです。ストレスゼロというのは、いわば「南の島でいつまでものんびり暮らしていい、と言われた状態」といえます。これでは交感神経が上がらず、バランスはかえって大きくくずれてしまいます。仕事や勉強、趣味の能力向上といった意味でも、これでは到底、人は伸びなくなってしまうのです。ストレスのもとを工夫してつぶす、未然に防ぐ、距離を置くという対策を講じても、ストレスはゼロにはなりません。それを知ったうえで、どうしても避けられないものには「ストレスをストレスで制す」という発想で対処すると、意外に効果が上がるのです。