自律神経力は「生まれつき」ではない

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。「自律神経は、自分でコントロールできない」というイメージを持っている方は多いと思います。もちろん、心臓の拍動とか、眠っているときの呼吸とか、内蔵の動きを自在に操ることなどできません。しかし、ふだんの生活習慣を少し変えることによって、バランスを整え、2つの神経がより活性化する状態をつくることは、あまり知られていませんが、十分に可能です。交感神経と副交感神経の状態は、数値で表せますが、その合計を、その人の「自律神経力」という言葉で表します。いわば、「その人の自律神経の総合得点」です。たとえば、トップアスリートは交感・副交感神経がどちらも高く、「交感神経250+副交感神経250」くらいです。自律神経力は、合計で500ということになります。ただし同じ「トータル500」でも、「400と100の人」より「250と250の人」の方が、パフォーマンスはずっと高くなります。これが「バランスが大事」ということです。「400と100」では、せっかくの「400」を発揮できないのです。一般の方の場合、150と150で「トータル300」なら、健康でいきいきした毎日を過ごしている状態といってよいでしょう。今の時代、多くの方は、「200と100」というように、交感神経が優位になっていますから、副交感神経を上げる生活習慣を取り入れ、交感神経を上げすぎる習慣を改めると良いのです。なかには「交感100、副交感200」といった副交感神経が優位の人もいます。また、「交感50、副交感50」で「トータル100」では低すぎ、疲労状態です。自律神経力は、生まれつきのものではありません。ふだんのちょっとした生活習慣でアップできるのです。では鍛えるにはどうすればいいのでしょうか。よく、アスリートが「心技体」といいますね。ロンドン五輪で、柔道の解説をしていた野村忠宏選手が、「心技体のうちどれが一番大事ですか」と聞かれ、「心」と答えていました。たしかに心は大事です。「病は気から」ともいいますし、心と体がつながっていることは事実です。しかし、オリンピックで優勝するレベルの体の人だから「心」なのです。体や技に問題のある人が、心に頼ってもどうにもなりません。オリンピックレベルの体を持っていない私たちは、まず体です。体の状態を整えることから始めましょう。目指すのは「全身のすみずみまで質の良い血液が行き渡っている状態」です。