「音楽」は脳の「報酬系」を刺激する

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。楽器を演奏することの次に、音楽の脳に良いところは「聴く」ことです。音楽を聴くと、とても良い気持ちになります。ここでもまた脳の中では、すごいことが起きているのです。脳は、ごほうびをもらったような状態になっているのです。音楽を聴くと、前にも述べた脳の「報酬系」と呼ばれる領域が活発になることが、カナダの大学での研究からわかっています。「報酬系」というのは、さらに詳しくお話しすると、欲求が満たされたときに活性化して、心地よいという感覚を与える神経伝達物質を放出する神経系のことです。会社で「給料が上がる」などの良いニュースを聞くと、とても良い気持ちになってやる気が出たりしますが、欲求が満たされると予測することでも、脳は活性化するのです。「報酬系」の領域が活性化されると、灰白質の体積が増えるという報告もあります。よく、「ほめて伸ばす」という言葉がありますが、まさにそれにあたります。つまり音楽を聴くと、欲求が満たされたり、ほめられたりしたときと同じような心地よい気持ちに自然となるのです。また、音楽を聴くと、一部の領域だけでなく、多くの領域の働きが活発になることがわかっています。音楽を聴くだけでも、脳にとても良いのです。では、「歌う」ことは、脳にどのような働きがあるのでしょうか。歌も、当たり前に歌っているようですが、そうではありません。歌詞を覚えたり、メロディーを覚えたりしています。脳をとても使っているのです。また、カラオケで歌うと、ストレスが発散されて、高血圧の人の血圧が下がったという報告がたくさんあります。ストレスも高血圧も脳に悪影響を及ぼします。カラオケは、脳にとって悪いものをはねのけてくれる働きがあるといえます。さらに、音楽には記憶を引き出すという働きがあります。昔聴いていた曲が偶然流れてきたりすると、その頃の記憶がよみがえるということがよくあります。知っている音楽を聴くと、記憶をつかさどる「海馬」などが刺激され「思い出す」という働きが起こり、その音楽の流れていた時に体験していた出来事が一緒に引き出されるのです。いいかえれば頭の中に保存されている情報を、音楽によって引き出すことができるのです。この記憶を引き出す方法は、脳出血や脳梗塞、またはケガなどによって起こる記憶の障害の治療にも使われています。ですから、昔聴いていた曲をたくさん聴くことは、「記憶」の領域にどんどん刺激を与えることになるのです。