内臓脂肪型の肥満は脳に大敵

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。飲酒と並んで脳の萎縮を進める、もう一つの大きな要因があります。それは、太り過ぎ、つまり「肥満」です。ことに中年期の肥満は、高齢期になってから認知症のリスクを高めるという報告が数多くされています。生活習慣の中で起こるひとつの要因として肥満を取り上げ、肥満の度合いとMRI画像での脳の萎縮との関係が検証されています。その結果、肥満度を表す「BMI」の数値が高いほど、海馬が顕著に萎縮していることがわかったのです。BMI値とは肥満度を測定する指標で、BMI=体重(㎏)÷(身長(m)×身長(m))で計算できます。BMIの指標値は以下の通りです。20未満:やせぎみ、20~24未満:普通、24~26.5未満:太り気味、26.5以上:太り過ぎ。例えば、身長165cm、体重70㎏だとすると、70÷(1.65×1.65)=25.71なので、BMI値は25.7で「太り気味」と判定できます。ただ、研究調査から、興味深いことがわかっています。それは、この肥満による脳の萎縮は男性にしか見られないのです。女性の場合は肥満であっても、脳の萎縮はほとんど見られません。同じ肥満でも、なぜこのように男女に違いがあるのでしょうか。実は、肥満とひとくくりにしていますが、男性と女性では、それぞれ肥満のタイプが異なります。一般に女性は皮下脂肪型肥満と呼ばれるもので、健康にはほとんど影響を及ばしません。一方、男性は圧倒的に内臓脂肪型肥満が多く、お腹だけプクッと出ているチューリップ型、ナシ型タイプの肥満がそれにあたります。男性に多いこうした内臓脂肪型肥満タイプの人は、インスリンや満腹抑制ホルモンであるレプシンの作用効果が減ることがわかっていて、それが脳に対して悪い影響を与えているのではないかと考えられています。