有酸素運動はなぜ脳に良いのか

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。「有酸素運動」が脳を活性化し、認知症の改善や予防にまで大きな効果を上げていることが世界中から報告されています。では、なぜ「有酸素運動」が脳に良いのでしょうか。それは、脳細胞のエネルギー源ともいえる重要な栄養素「BDNF(脳由来神経栄養因子)」という物質が、有酸素運動によって体内につくられるからです。この栄養素は記憶の働きをつかさどり、脳の中枢を担う「海馬」に大きく関わりを持っています。この栄養素は加齢とともにどんどん減り、認知症の方ほど減り方は著しくなります。つまり、脳の萎縮が進んでいる人ほど、この栄養素が少なくなっていることがわかります。アメリカのピッツバーグ大学では、55歳から80歳までの健常な男女120名を、有酸素運動と、有酸素ではない運動を行うグループに分けて1年、比較調査を行いました。その結果、有酸素運動ではないグループは海馬が減っていたのに対し、有酸素運動を行ったグループは維持するどころか、海馬の体積が増大したのです。つまり有酸素運動をすると、脳にとって大切な栄養素がつくられ、それが海馬の体積を大きくして認知機能を高めるということがわかったのです。有酸素運動の効果はこれだけではありません。有酸素運動はさらに、「認知症」を引き起こす原因の「アミロイドベータ」を壊す酵素を発生させたり、脳への血流を増加させたりします。また感情をコントロールする物質を増やしたり、動脈硬化の原因となる物質や遺伝子を傷つける物質を追い出すなど脳のために良いことだらけなのです。有酸素運動が脳にもたらす効果は、このようにすばらしいものがあります。そして、その効果は、わずか30分の有酸素運動で得られることがわかっています。大切なことは、一定の心拍数で有酸素運動をすることです。歩くことでも、ジョギングでも、水泳でも30分程度で効果があるのですから、無理のない時間と程度で有酸素運動を楽しみましょう。せっかくがんばっても、疲れて次回につながらないのはもったいないことです。体に無理な負担をかけず、できる日は少なくとも30分は続けましょう。まさに「継続は力なり」です。