寝たきり予防に筋トレが効く

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。脳卒中、認知症、骨折・転倒。これら3つは、日本国内における「寝たきりになる三大要素」です。日本国内の統計によると、骨折・転倒が原因で寝たきりになる人の数は、年間約10万人とまで言われています。高齢者が転倒して骨折しやすい部位は太ももの付け根(大腿骨頸部)で、ここを骨折すると歩けなくなり、寝たきりになりやすいとされています。転倒の状況として、普段はしないような運動や動作をしたときというイメージがありますが、実はつまずいたり滑ったりしたときのほうが多いのです。原因は、足腰の筋力低下やバランス感覚低下によるものがほとんどです。転倒を防ぐために最も大事なのは歩くための能力、筋力を維持することなのです。歩く速度が遅い人ほど脚の筋力が弱く、転倒の可能性が高いというデータがあります。2011年、米国ピッツバーグ大学の医師らにより、「歩くのが速い高齢者ほど長生きする傾向がある」という研究結果が発表されました。65歳以上の男女3万4485人の歩行速度を分析した結果、どの年齢でも毎秒1m以上で歩く人は比較的長く生き、歩くのが速い人ほど余命が長くなりました。一方、毎秒0.6m以下の人は早く亡くなることが多い結果となりました。このことから研究チームは、「歩行にはエネルギー、動きの制御・支持が必要。また、心臓や肺、循環器、神経といった多くの臓器系にそれが求められる。歩行速度の低下は、臓器の障害と歩行に多くのエネルギーが必要なことの両方を反映している」と指摘し、「歩行速度に注目すれば、高齢者の健康管理に役立つ」とも言っています。速く歩くには強い心肺機能や筋力が必要で、歩行速度が健康の尺度となるのです。筋力をつけることで、それらを強化することも可能です。