うつ病の人は体温が低い

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。長引く不況による経済的困窮、労働超過による余裕のない毎日と職場での人間関係など、日頃から、何かしらの精神的ストレスを抱えている人も少なくありません。近年の自殺者数も、増減を繰り返しつつも右肩上がりです。自殺の動機として最も多いのがうつ病やうつ状態によるもので、自殺者の約9割を占めています。うつ病は「こころのかぜ」ともいわれ、特別な人がかかる病気ではなく、誰もが発症する可能性のある病気です。厚生労働省の報告によると、国民の約15人に1人がうつ病を経験するといわれています。1995年、マサチューセッツ州のサウスショアYMCAでフィットネス研究責任者を務めるウェストコット博士らは、48人の中・高年者を対象に、8週間の筋肉トレーニングを実施しました。その結果、全員の自信レベルが向上し、生き生きとした生活を送るよになった、と発表しました。また、ハーバード大学のシン博士らは、60~84歳の抑うつ状態にある高齢者32人に、10週間の筋肉トレーニングを実施したところ、25人に明らかな改善がみられたと、1997年に報告しています。うつ病はフィンランド・スウェーデンなどの北欧や、北海道や東北地方などの寒い地域で多くみられます。うつ病の患者さんは、体温の低い午前中は心身ともに不調ですが、体温が上昇する午後からは徐々に元気が出てきます。このことから、体温の低下がうつ病を招く大きな要因となっていることがわかります。体は糖や脂肪を燃焼することでエネルギーを産出しています。しかし、うつ病になるとエネルギーの産生量が減少するために体は冷えてきます。体温が低下すると、血液循環が滞るために代謝が悪化します。すると、栄養や酸素の運搬がうまく行われなくなるため、内蔵の働きが低下します。これにともなって、脳内神経伝達物質の1つである「セロトニン」や「ノルアドレナリン」の放出量が減少するため、心のバランスが失われ、精神活動も不活発になります。