認知症には筋力不足がかかわる

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。「筋肉運動は体の活動だから、認知症とは関係ないのでは」と思うかもしれません。しかし、体を動かす脳の制御が必要になるため、脳のさまざまな部位を活発にします。この刺激が、脳の代謝と循環を活発にします。反対に、運動不足で筋力が減少すると、脳の活動も低下するため、脳機能の維持が難しくなるのです。認知症の8~9割を占めるのが、「脳血管性認知症」と「アルツハイマー型認知症」です。脳血管性認知症は、脳卒中などによって血管が障害され、脳の神経細胞に酸素や栄養が十分に行き届かなくなるために起こります。アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が脱落して血行障害が起き、脳が委縮して生じます。認知症は、いずれも脳の血行が悪くなるために起こります。血行障害は加齢とともに進むため、血流を良好に保つ必要があります。筋肉が衰えれば身体行動が困難になり、動かさなければ体はさらに衰えるという悪循環に陥ります。体を動かし、筋力を鍛えることは、脳の血流を良くする効果もあるのです。性別によって運動の影響が異なるという研究結果もあります。アメリカで、平均88.5歳の健康な人を分析したものです。運動時間が週4時間超という活動性の高い女性は、活動性の低い女性と比べて、記憶やコミュニケーションなどに必要な「認知機能」が障害されるリスクが88%減少することがわかりました。逆に、活動性が低い女性は、男性に比べて認知機能障害の発生頻度は約2倍、身体活動の多い女性に比べればリスクは約5倍に上りました。女性は、男性よりも全身の筋肉の割合が少ないため、運動の有無が大きく影響するのかもしれません。