なぜ老化するのか?

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。細胞が分裂できる回数は生物の種類によって決まっており、人間の場合は約50回です。細胞内のDNAの両端にはテロメアと呼ばれる部分があり、二重らせん構造のDNA分子を末端で結びつけ、ほぐれを防止し、安定化を図っています。細胞が1回分裂するたびに切り取られ、次第に短くなるため、テロメアは「細胞分裂の回数券」と呼ばれることもあります。DNAの中央にある大切な遺伝情報が切り取られないよう50回分の回数券を使い切ると、その細胞は分裂を止めます。人間の永遠に生きるという夢が叶わないのはこのためです。回数券を使い果たすと、あとは老化と死を待つほかないのです。テロメアは、テロメラーゼと呼ばれる酵素から生成されており、テロメアが短くなるとテロメラーゼが修復してその長さを維持するように働きます。もし、テロメラーゼが十分な活性を示していれば、テロメアは減少しません。つまり、老化とも無縁になるのです。実際、1997年にアメリカで行われた実験では、テロメラーゼを与えられた細胞が、老衰したテロメアを修復・再生しました。その後、さらに細胞分裂を続けてもテロメアは短縮せず、細胞は不死に近い状態なるということが確認されています。