腹痛に波があるのはなぜ?

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。腹痛は痛みを感じる部分に異変があるとは限りません。食べ物が通る消化管には、食道から肛門の5cm内側まで、痛みを感じる神経が存在しないのです。私たちが感じる腹痛は、みぞおちやヘソ周辺を通る神経の束が異変を察知し、これを脳に伝えることで生じています。便意に限らず、たとえばわき腹に炎症があっても、神経の集まっているヘソ周辺が痛むのはこのためです。また、トイレを我慢しているとき、痛みの波が寄せたり引いたりする現象は、胃や腸が行う蠕動運動が原因です。人体は口からものが入ると、食道や胃、小腸、大腸などがポンプのように膨張と収縮をくり返しながら食べ物を肛門へと運んでいきます。平常時は一定のペースと強さで行われますが、おならや便意をがまんしたり、体内に潰瘍などがあると、それが通過障害となり、消化器官はより強い膨張と収縮をくり返します。この異変を、先ほど述べた神経の束が察知して脳に伝達し、腹痛を引き起こすのです。また、乱れた蠕動運動は、膨張時よりも収縮時に痛みを伴います。このとき感じる痛みが、私たちを苦しめる波の正体なのです。